生活の基盤となる、家。
その場所で私たちの暮らしを身近に支えてくれているのは、さまざまな種類のインテリアです。
こちらの記事を訪ねてくださったのは、おそらく「環境にやさしく、且つ、お洒落なインテリアを実現したい」と考えている人ではないでしょうか。
環境にやさしいインテリアと聞くと、どことなくシンプルで素朴なイメージが湧くかもしれませんが、デザイン性の高いアイテムもたくさんあります。
家具やファブリックだけではなく、私たちが日々直に触れている壁紙や床材といった家の内装材も見逃せないポイント。
今回は、環境にやさしくデザイン性の高い壁紙や床材、さらに、壁紙屋本舗の関わるサスティナブルなサービスについてご紹介したいと思います。
押さえておきたい!サスティナブルなキーワード
環境にやさしいアイテムを探すうえで、最低限押さえておきたいキーワードをご紹介します。
近年よく耳にする言葉だと思いますが、こういったワードにアンテナを張っておくと、出会えるアイテムの幅が広がっていくのではないかと思います。
SDGs|持続可能な未来を目指す17の目標
「SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)」とは、2015年に国連サミットで採択された、よりよい世界を目指すための目標です。2030年までに達成すべき17の大きな目標と、それを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
気候変動への対策、海の資源や陸の豊かさを守るといった環境問題に対する目標が頻繁に取り沙汰されていますが、貧困やジェンダー、健康から働きがいまで、世界が抱えるあらゆる課題への問題提起がなされています。
インテリア業界でも、素材の見直しや再利用への取り組みが始められています。
エシカル|社会や環境に対する「善」を促進するために
最近は特に、地球環境や人、社会に対して配慮されたアイテムを意識的に購入することを「エシカル消費」といい、エコやサスティナビリティ、オーガニックといった言葉とともに、環境や商品の生産過程を重視する風潮の中で一つのキーワードとなっています。
商品の質だけでなくバックグラウンドにもこだわりたい、素材にこだわった丁寧な暮らしを目指したい、という方は押さえておきたい言葉です。
サスティナブルな素材の壁紙
item 01|黒谷の丸だき和紙
捨てられる素材まで丸ごと生かした、味わい深い和紙の壁紙
掲載商品:黒谷の丸だき和紙
熟練の職人の手で漉かれた京都の「黒谷和紙」。文化財の修復にも使われている伝統的な和紙です。
この黒谷和紙を作る工程の中で、本来取り除かれる楮(こうぞ)の皮をまるごと手漉きしたのが風合い豊かな壁紙「丸だき和紙」です。
素材の荒々しい表情がインテリアに奥行きを与えてくれます。
item 02|Food Paper
捨てられる野菜のクズを原料にした壁紙
掲載商品:Food Paper / たまねぎ
廃棄されるにんじんや玉ねぎ、じゃがいもの皮などを使用し、伝統的な和紙の製法で楮(こうぞ)や麻の繊維と一緒に手漉きで作られるFood Paper。
文房具などの紙小物として展開されているこの紙を、壁紙用に大きなサイズで商品化しました。
洋紙とも和紙とも異なる独特な風合いと、ほんのり色づく野菜の色が魅力の環境にやさしい壁紙です。
item 03|FLAX WALLPAPER
亜麻素材からできた100%植物由来の壁紙
掲載商品:FLAX WALLPAPER / Eso Studio TIGER EYE / DUSTY ROSE
亜麻(リネン)の繊維と植物由来の繊維、ビスコースレーヨンでできた壁紙です。有害な溶剤を含まない水性ラテックスインクでプリントしました。
ビニールを一切含まない100%植物由来の素材なので、バクテリアなどに分解されて土に還ります。
亜麻の素朴な風合いを生かす壁紙屋本舗オリジナルデザインや、天然染料にこだわったテキスタイルを基に壁紙を製作するアメリカ「Eso Studio」とのコラボレーションデザインを展開しています。
item 04|Hattan(ハッタン)
リサイクルポリエステルを原料に使用した、繰り返し使える壁紙
繰り返し使える壁紙「Hattan」は、ペットボトルから生み出されるリサイクルポリエステルと、植物由来のレーヨンが原料のフリース素材です。
フリース(不織布)は元々環境負荷の少ない素材といわれていますが、リサイクルポリエステルを使用することでさらに地球にやさしい壁紙になりました。
裏に「貼ってはがせるのり」が加工されており、全体を水に浸すことでのりの粘着力が戻り、切手のように貼ることができます。
加工されている「のり」の主成分は、じゃがいものでんぷん。環境や肌への負担が低く、水溶性で手についてもサッと洗い流せます。剥がした後も水に浸せばのりの粘着力が戻るので、貼って剥がして、繰り返し使用することができます。
さらに、お客様の注文を受けてから製造する受注生産を行なっているため、大量生産品よりもロスとして廃棄する量を大幅に抑えることができます。
item 05|EASY WALL TAPE(イージーウォールテープ)
剥離紙が無く、ゴミ削減につながるエコな壁紙シリーズ
掲載商品:リブウッド EWT05
マスキングテープと壁紙のいいとこ取りをした、初心者の人も手を伸ばしやすい大人気の壁紙シリーズです。
幅23cmと、かなりコンパクトなサイズで扱いやすく、特別な道具を使わずにきれいに貼ることができます。
通常のシール壁紙は裏面の剥離紙をはがして施工するため使用する面積分のゴミが出ますが、イージーウォールテープはマスキングテープのようにそのまま貼ることができるロール状。
ゴミの削減にもつながるエコな壁紙です。
item 06|テラゾーステッカー/ドットステッカー
元の壁紙を生かし、ゴミを大幅に削減できるステッカーシリーズ
テラゾーの模様やドットの形に切り抜かれたステッカーを、一枚一枚自由に壁に貼って、手軽に壁紙の雰囲気を楽しむことができるステッカーシリーズです。
白地に柄のある壁紙は、インテリアに取り入れやすく人気の高いデザイン。元々白い壁紙が多い日本の住宅の壁なら、柄の部分だけ貼ったら白地デザインの壁紙のようになりますね。
実はこれ、施工のハードルがぐっと下がるだけではなく、剥がした時のゴミの量も大幅に抑えることができるというエコ発想の壁紙なのです。
こちらも、お客様の注文を受けてから製造する受注生産で、ロスの量も抑えています。
お風呂にも貼れるビニールタイプと、ツヤのないマットタイプがあります。
サスティナブルな素材の床材
item 07|ユカハリ・タイル
環境にやさしい材木を使用した無塗装の木材タイル
掲載商品:ユカハリ・タイル / すぎ(無塗装)
ユカハリ・タイルは、木の素朴な色合いや風合いを生かした木材タイルです。
「未来への想いを共有する森づくり」を目指す、岡山県の西粟倉村というところで生産されています。適切に管理された森林から得た材料で作られた環境にやさしい床材です。
スギとヒノキ、2種類の材木それぞれの風合いが生きる無塗装やクリアオイル仕上げなど、全6種類から選べます。
シンプルでミニマルな空間におすすめの床材。
木の温もりを感じるユカハリ・タイルは、使い込むほどに味わいが増し、生活にやさしく溶け込んでくれるでしょう。
壁紙屋本舗の関わるサスティナブルなサービス
壁紙のレンタルサービス「カリテくらす」
掲載商品:Hattan / まっすぐ-ナチュラルウッド HWD-04
2021年の12月上旬、大阪府下にある一部地域のUR賃貸住宅を対象に、家具・家電のレンタルサービス「カリテくらす」がリリースされました。
家具や家電のレンタル事業自体はこれまでにもありましたが、対象アイテムの一つに「壁紙」が組み込まれたのは、おそらく業界初。このサービスに採用されたのが、こちらの記事(item 04)でもご紹介している「Hattan」です。
レンタルアイテムに不可欠な繰り返し使用できるという持続性や、再生ペットボトルを利用したフリース(不織布)の素材など、地球に優しいHattanの特色が「身軽な生き方」や「持続可能な未来」を目指すサービスのコンセプトにフィットしました。
「カリテくらす」で貸し出されるアイテムは新品だけでなく、利用された家具・家電に修理やクリーニング等を施したセカンドハンド品も含まれます。不要になった人の元から戻ってきたアイテムを、次に必要とする人の輪で循環させるというサービス。
「カリテはる」壁紙文化、いかがでしょう。
2023年年3月31日をもちまして「カリテくらす」のサービスは終了となりました。
詳しくはこちら(※カリテくらす公式サイト) >>
おわりに
2020年に日本でもようやくレジ袋が有料化され、脱プラスチックや新素材への関心が一気に高まったように思います。
サスティナビリティやSDGs、環境問題への取り組みが進むなか、インテリア商材に求められるコンセプトも変わりつつあります。
単に「安くてオシャレならそれでいい」というのではなく、地球にも自分たちにもやさしいアイテムを探す人が増えているのではないでしょうか。
地球にやさしいだけではなく、自分が心から大好きだと思えるインテリアも諦めたくない。
こちらの記事が、そんな方々のご参考になれば幸いです。