にんじん、たまねぎ、じゃがいも。
このたび壁紙屋本舗から発売された壁紙「Food
Paper(フードペーパー)」は、こうした馴染みある野菜が原料となった壁紙です。
ほんのり色づく素材の色。
素朴で独特な手漉きの風合い。
繊維がリアルに浮き立つ質感。
空間にすっと溶け込むやわらかな雰囲気は、自然由来の原料ならでは。
2021年の秋に一歩を踏み出したホンポの新たな壁紙について、その魅力や使い方をご紹介します。
目次
越前和紙と野菜の出会い〜Food Paperの誕生〜
越前和紙の老舗「五十嵐製紙」
清らかな水流に恵まれる福井県の越前地方で古くから作られてきた「越前和紙」。
その美しく丈夫で高品質な和紙は1500年以上の歴史を持つといわれ、美濃和紙や土佐和紙と並び日本三代和紙の一つに数えられています。
1919年の創業以来、100年以上に渡り越前和紙を漉き続けてきた「五十嵐製紙」がFood Paper(フードペーパー)の生みの親。
創作和紙を得意とし、時に芸術品と喩えられる和紙を手掛ける老舗です。
和紙一家が生み出した新たな自然紙
五十嵐製紙を営む五十嵐家の息子が、小学4年生のときに始めた「食べ物から紙を作る自由研究」がFood Paperのアイデアの源になりました。
畑で取れる野菜や果物、お父さんのおつまみのピーナッツまで。息子の研究成果を伝統工芸士の母が受け継いで紙を漉き誕生したのがFood Paperです。
Food Paperは廃棄される野菜や果物の皮などを使用し、和紙の原料である楮(こうぞ)や麻の繊維と一緒に、伝統的な和紙の製法である「手漉き」で一枚一枚作られます。
まさに和紙一家ならではのアイデアが詰まった、自然紙の新境地。
文房具などの紙小物として展開されてきたFood Paperを大きなサイズで商品化し、インテリア素材として活用できるようになりました。
環境問題を考える壁紙
食品ロスの削減は、環境問題を考える上で世界的に大きな課題となっています。
本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品は、日本国内だけで年間約621万トンにも上るそう。
Food Paperは、食料資源の有効利用の一旦を担うだけでなく、近年深刻になっている和紙の原材料不足を補う可能性を秘めています。
伝統と未来、教育の観点を兼ね備えた、環境にやさしい壁紙です。
Food Paperの魅力
01|100%自然由来の、土に還る素材
Food Paperの原材料は、楮(こうぞ)、麻、野菜と、100%自然由来。
土に還る環境負荷の少ない壁紙です。
02|野菜の自然な色やテクスチャ
使用する野菜によって表面に浮き出る立体感や手触りが違います。
独特な風合いとやさしい色味が特徴です。
03|貼り方無限大
フードペーパーの原寸は、約1m×2mの大判サイズ。
そのまま貼ってもいいのですが、同じサイズにカットしてパッチワークのように貼ったり、不揃いな大きさにカットしてランダムに貼ったり、重ね方をアレンジしたりと、自由に楽しむことができます。
まさに貼り方無限大の壁紙です。
(左)水切りするとやわらかなつなぎ目を、(右)ハサミやカッターでカットするとシャープなエッジを楽しめます。
こんな人におすすめしたいFood Paper
01|ナチュラルなインテリアが好きな人
Food Paperの素朴な風合いは、ナチュラルな空間に最適。
物や色の溢れる空間というよりは、シンプルやミニマルな精神の似合う壁紙です。
インテリアの新たなトレンドとして注目されている「ジャパンディ」なスタイルにもおすすめ。
ジャパンディとは、和と北欧のミックススタイル(Japanese × Scandinavian)。
シンプルであること、必要最低限のものを機能的に配置すること、自然素材を取り入れることが要素となったスタイルです。
02|手作りのものが好きな人
一枚一枚手漉きで作られるFood Paperは、その微妙な色合いや表情もさまざま。
手作りならではの表情の豊かさを楽しんでいただけます。
03|エシカルな暮らしがしたい人
エシカル(ethical)とは元々、英語で「倫理的な」という意味。
最近は特に、地球環境や人、社会に対して配慮されたアイテムを意識的に購入することを「エシカル消費」といい、エコやサスティナビリティ、オーガニックといった言葉とともに、環境や商品の生産過程を重視する風潮の中で一つのキーワードとなっています。
Food Paperには、制作に携わる人の熱い思いやストーリーが詰まっています。廃棄される食材を使って再生させた、人にも環境にも配慮されたアイテム。
商品の質だけでなくバックグラウンドにもこだわりたい、素材にこだわった丁寧な暮らしを目指したい、というあなたに最適な壁紙です。
Food Paperと相性の良いインテリア
01|自然素材、無垢素材の家具や小物
野菜から生まれたFood Paper。その素朴な風合いは、自然素材を引き立たせてくれます。
無垢素材の家具や、植物のある空間、竹やラタンなど天然素材の小物などと合わせると、控えめに、でも確実に互いを高めてくれるはず。
02|和室や古民家
越前和紙の伝統的な製法が基盤となっているFood Paperは、当然ではありますが、和室や古民家など和の空間と相性抜群。
野菜繊維の存在感が、どこか土壁や繊維壁など伝統的な和壁の風合いを感じさせてくれます。
03|洋にも馴染む
Food Paperは、和だけでなく洋風のインテリアや空間にも不思議としっくり馴染みます。
フレンチレストランなどモダンな空間に和紙を取り入れる例もありますが、Food
Paperも和洋問わず空間へ自然と溶け込んでくれる懐の深い壁紙です。
商品ラインナップ
にんじん
たまねぎ
じゃがいも
Food Paperの貼り方と剥がし方
Food Paperの貼り方
手順を動画でチェック!
必要な道具
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のり付けに最適な道具セット(オリジナルペイントセット)
ハケ類とバケットに加え、養生に便利なマスカーやマスキングテープを含む道具セットです。
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粉のり付き施工道具11点セット
ポテグル(粉糊)を含む、必要な道具が揃ったセットです。
手順を画像とテキストで見る
- カットした壁紙の裏に糊を塗ります。
- 1分〜3分程度糊を馴染ませます。
- 下から上に向かって壁に貼っていきます。
- つなぎ目は少し重ねて仕上げるのがおすすめです。
完成!
つなぎ目について(水切りの仕方)
- 壁紙を折ります。
- 刷毛やスポンジなどで折り目を濡らします。
- 2〜3分程度馴染ませてから引っ張るようにカットしていきます。
Food Paperの剥がし方
ビニール壁紙の上に水溶性の糊「ポテグル」で貼った場合、水で濡らせば壁紙を剥がせます。
- 霧吹きや濡らしたスポンジで表面にたっぷり水分を含ませます。
- 5分〜10分程度おき、糊を柔らかくします。
- 剥がします。
使用上の注意
- 貼り替えのために剥がすことはできますが、壁に色移りする場合があるので原状回復が必要な場合はご使用をお控えください。
- しっかり水で濡らすと剥がせますが、剥がす際に傷みや伸縮(変形)が起きるため繰り返しの使用には不向きです。
おわりに
最後にもう一度、Food Paper(フードペーパー)のポイントを簡単におさらいしましょう。
- 100%土に還る、環境にやさしい自然素材の壁紙
- ナチュラルなインテリアに最適
- 自由に貼れて、貼り方無限大
野菜から生まれたFood Paper(フードペーパー)。
化学物質を含まない自然由来の素材で、人にも環境にもやさしい壁紙です。
Food PaperとFlax Wallpaper、今年2つの「土に還る壁紙」を発売した壁紙屋本舗ですが、実はつい半年ほど前まで「にんじんの壁紙をポテトで貼る未来」を夢見ていました。
にんじんの壁紙をポテトで貼る未来が、こんなに早く実現するなんて。
これから先の未来もずっとインテリアを楽しめむために、壁紙の素材として新たに仲間入りしたFood Paper(フードペーパー)。
以後どうぞ、よろしくお願いいたします。