長期継続壁紙のちょっぴりエコで便利な話

2024.11.01
長期継続壁紙のちょっぴりエコで便利な話

皆さん、こんにちは。
壁紙屋本舗でカスタマーサポートを担当しております、ドイと申します。

突然ですが、日本の住宅でよく使われている一般的な「白無地の壁紙」が何種類くらいあるかご存知でしょうか?
自宅の壁紙をまじまじと見つめたことのある人は少ないかもしれませんが、どの家の壁紙も似たり寄ったりじゃないの?と想像される方が多いのではないかと思います。

現在日本の住宅で使用されている壁紙の多くはビニール製の壁紙です。
国内の主要メーカーで販売されているビニール壁紙全体が、およそ10,000品番。
そのうち日本で人気の高い白系統の壁紙(木目やタイルなど白地をベースとした柄物を含む)が、およそ4,000品番。
さらにその中で白無地の壁紙だけに限定しても、およそ2,000品番を超える壁紙が存在しています。

同じ壁紙が複数のカタログに掲載される場合は、カタログごとに異なる品番が割り当てられています(以下「重複品番」)。この重複品番が全体のおよそ3〜5割程度存在するのですが、それを考慮しても白無地の壁紙だけでおよそ1,000種類〜1,400種類ほどあるということになります。

こんなに多くの壁紙があることもあまり知られていませんが、この白無地などベーシックなデザインの壁紙の中に一部「長期継続壁紙」という種類の壁紙があることは、ほとんど知られていません。

壁紙屋本舗には壁紙探偵団というお客さまの壁紙探しをサポートするサービスがあり、ご自宅に貼ってある壁紙と「同じ壁紙」をお探しの方から日々たくさんのお問い合わせが届きます。
その度に精一杯お探ししているのですが、見つからないことが多々あります。

こういった背景も踏まえちょっぴりエコで便利な「長期継続壁紙」をより多くの方に知っていただけたらと思い、詳しくご紹介することにしました。
これからの壁紙選びの選択肢としてご活用いただけると幸いです。

本記事の「壁紙に関する数値」について

 

  • 国内の主要壁紙メーカー7社(サンゲツ、リリカラ、ルノン、東リ、シンコール、トキワ、マノクラフト)から、2022年3月時点で販売されているカタログや、各メーカーへの問い合わせを元に算出しています。
  • 色や柄の判断基準は各メーカー担当者、壁紙屋本舗担当者の主観によるものとなります。
  • 重複品番の占める割合は、メーカーやカタログによって異なります。

 

 

長期継続壁紙とは?

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長期継続壁紙とは、その言葉の通り「長期間、継続して販売することが約束されている壁紙」です。
具体的な期間についてはメーカーによって異なりますが、短いもので4年〜最長10年が目安となります。
ただし「カタログが発刊された年から」のカウントとなるため「4年か、10年か」よりも「何年まで継続しているか」がポイントになります。

4年〜10年で長期の扱いになるというとは、長期継続壁紙ではない一般的な壁紙はどのくらいの期間販売されているのでしょうか。
実は、どんな壁紙も発売から2〜3年で「廃番」となってしまう可能性があります。

それに対して、XXXX年までの継続があらかじめ決まっている、つまり一定期間手に入ることが保証されているのが「長期継続壁紙」です。

 

国産壁紙製造の舞台裏

長期継続品番についてより詳しくご説明するために、国産壁紙製造の舞台裏について少しお話しをしたいと思います。

国産壁紙の改廃

国産のビニール壁紙は、サンゲツ、リリカラ、ルノン、東リといった日本のメーカーから発売されています。
各メーカーから複数のカタログが発刊され、発売時期も統一されていません。そしてこのカタログは通常2〜3年ごとに新しく生まれ変わります。

catalogue

壁紙のカタログが生まれ変わる際に、新しく登場するデザインと過去のカタログから引き継がれるデザインがあります。過去のカタログから「品番を変えて継続」されるものと「廃番」になるものに分けられ、前者が新しいカタログに引き継がれます。

業界ではこれを「壁紙の改廃」と呼んでいます。

同じメーカーから発刊される複数のカタログに、同じ壁紙が重複して掲載されていることもあります。
カタログごとに別品番が振り当てられるため「別の壁紙だと思っていたら実は同じ」なんてことが日常茶飯事。数年前までは別の品番で売られていて、今は異なる複数の品番で売られている、という何とも複雑な世界です。

メーカーによって異なりますが、長期継続壁紙でもカタログの更新とともに品番が変わることがあります。ただ、同じデザインが継続しているという確証を持てるため、有るのか無いのか分からない壁紙を探すのとは大きな違いがあります。

国産のビニール壁紙は同時期に販売されているものだけでも優に1万品番を超え、2〜3年ごとの改廃によって品番が入れ替わります。現在日本に貼られている壁紙の種類となると、途方もない数になるでしょう。
冒頭でも触れた通り、多くの住宅で見かけるベーシックな白無地の壁紙だけで約1,000種類〜1,400種類。パッと見ただけでは違いの分からない壁紙が非常にたくさん存在しているのです。

 

似ている壁紙を見比べてみましょう

実際に、複数のメーカーの白無地の壁紙を見比べてみたいと思います。

こちらは、別のメーカーが製造している「白い織物調の壁紙」サンプル4枚を並べた写真です。

左から:サンゲツ SP-2855/シンコール SLP-625/リリカラ LB-9426/東リ VS-9016

左から:サンゲツ SP-2855/シンコール SLP-625/リリカラ LB-9426/東リ VS-9016

どうでしょう、見分けがつきますか?
近くで目を凝らしてやっと、微妙なエンボス(表面の凹凸)の違いに気づく程度の差です。

「一般的な白い壁紙だから見つかるはず」と思われている方が多いのですが、こういった類似デザインが各メーカーごとに多数存在するため、全く同じデザインの壁紙を探すのは想像よりはるかに難しいということがお分かりいただけると思います。
また「壁紙の改廃」が繰り返されることにより、新調した数年後には同じ壁紙が手に入らないという事態が十分に起こり得るということです。

 

長期継続壁紙は、こんな方におすすめ

国土交通省が公表している賃貸住宅の原状回復ガイドラインでは壁紙の耐用年数は6年とされていますが、一般的に壁紙の貼り替えは「約10年」が目安と言われています。部分的なリフォームのついでに貼り替えられることが多いため、リフォーム周期の目安ともいえます。
もちろん、状況や事情に応じて10年以内に何度か貼り替えられる場合もあれば、10年以上貼り替えない場合もあるでしょう。

それではどういった場合に、長期継続壁紙は役立つのでしょうか。
特におすすめしたい3つのケースをご紹介します。

Case01: 子どもやペットの影響で短期間に壁紙が汚れる可能性が高い

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お子さまやペットとの暮らしは、落書きやペットの爪により壁紙が傷ついたり汚れたりするリスクが高いと思います。他のところはきれいなのに、傷ついたところを目立たせないために全体を貼り替えるのは大変ですし、コスト面での負担も大きくなります。

長期継続品を選んでおけば「汚れたところだけ部分的に貼り替えたい」と思った時の対応がしやすくなります。

 

Case02: 自分のペースで壁紙を少しずつ貼り替えたい

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のりつき壁紙は「生のり」をつけた状態でお送りするため、工程の手間が減り便利なアイテムです。一方、のりが乾くと使えないという弱点があります。
季節や環境によって前後しますが、保管期限の目安は2~3週間。

例えば数ヶ月かけて家中の壁紙の貼り替えを予定している場合、一度にまとめて買うと乾燥して使えなくなってしまうので、何度かに分けて注文する必要があります。
貼り替えの途中で同じ壁紙が手に入らなくなるのは非常に困りますよね。

こういった時に長期継続壁紙を選んでおけば「この時期までは確実に手に入る」という安心感を持って施工の計画を立てることができます。

 

Case03: 賃貸住宅などで、内装を定期的に修復する必要がある

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最近では、賃貸住宅のオーナーの方が自ら壁紙の貼り替えるケースが増えています。
短いスパンで入居者が入れ替わり「ほとんどの壁紙はきれいなのに1箇所だけ破れている…」というケースにも、長期継続壁紙を選んでおくと対応しやすくなります。

その壁紙が継続している間は、破れているところだけの貼り替えで済んで経済的です。

 

知っておきたい「ロットぶれ」
壁紙には、一度の製造に効率が良い「ロット」という製造単位が設定されています。
例えば、ある大手メーカーのロットは約5,000メートル。メーカーや工場によって設定は異なりますが、壁紙はこのロットに沿って品番ごとに製造されています。

 

同じ品番の壁紙でもこの生産ロットが異なると、色や質感が少し違って見えることがあります。
これを「ロットぶれ」といいます。
ご注文のタイミングをずらすと同じロットの壁紙が手に入る可能性は下がりますが、違う品番の壁紙を貼るよりは目立ちにくく、部分補修をした場合の違和感を最小限に抑えることができます。

 

なせ、長期継続壁紙はちょっぴり「エコ」なのか

ビニール壁紙のリサイクル

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ビニール壁紙は塩ビのフィルムとパルプの複合製品のためリサイクルが難しいとされてきましたが、近年は粉砕分離の技術を用いて素材を分別する取り組みが始まっています。ただ、このリサイクル処理は未使用の壁紙が対象で、一度使用された壁紙はゴミとして廃棄されているのが現状です。

壁紙が汚れたときに全面を貼り替えるか、必要な箇所のみ部分的に貼り替えるかでゴミとなる壁紙の量が大きく変わってきます。長期継続壁紙を選ぶことで「同じ壁紙が無いから全部貼り替える」という選択を減らせるかもしれない、環境にやさしい選択といえるのです。

 

ベーシックなデザインが揃う長期継続壁紙

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一口に「白無地の壁紙」と言っても、表面に施されたエンボス感や色のトーンが少しずつ異なります。
「無難でいいから」という理由で白い壁紙を選ぶ人もいますが、青みがかったホワイトか、ベージュがかったホワイトかというちょっとした違いで、お部屋の印象が大きく変わることもあります。

白い壁紙でも色や柄のある壁紙でも、無数にあるデザインから壁紙を選ぶ工程はとても楽しく、迷う時間も含めて楽しんでいただけたらという思いは変わりません。

現在、国内の主要メーカーが長期継続品として指定している壁紙は約100品番ほど。1万を超えるビニール壁紙の全体数から見ると決して多いとは言えません。
壁紙屋本舗での取り扱い点数にも限りはあるのですが、無地の白やベージュといったベーシックなデザインは一通り揃っています。

長期継続壁紙から気に入るデザインが見つかれば、何かあった時に再び手に入れやすいというメリットになり、お財布にもやさしく、さらにエコにもつながるという、まさに一石三鳥です。
部分貼り替えをする機会があるかどうかは分からなくても、知っておいて損はありません。

シンプルな壁紙をお探しの場合は、長期継続壁紙のラインナップを一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

壁紙屋本舗で販売中の「長期継続壁紙」一覧

ここからは、現在壁紙屋本舗で取り扱っている長期継続壁紙を継続年ごとにご紹介したいと思います。

  • 一覧「商品ページへ」のボタンから、各品番の「のりつき【1m単位切り売り】」購入ページをご覧いただけます。
    ページ内「カットサンプル・サイズ・タイプ違いの商品」から、カットサンプルや施工道具セットなどの各購入ページへ移動できます。
  • ご使用のパソコンやスマートフォンの画面設定などにより、画像と実際の商品の色合いが異なって見える場合があります。ご検討の品番は事前にサンプルのご注文をおすすめいたします。
  • 商品ページの品番の先頭に「S」が付いている場合がありますが、「S」がない場合と同じ商品になります。
    (例)RM-608 = SRM-608
  • 壁紙の改廃により品番が変わり、商品ページの表示品番と異なる場合があります。

2031年までの長期継続品番

RM-818


かすりのような風合いの織物調。(ホワイト)

RM-819


ロングセラーのナチュラルな織物調。(ホワイト)

RM-821


圧倒的な人気のモダンな織物調。(ライトグレー)

RM-837


清潔感のあるモダンな石目調(ホワイト)

RM-843


本物の塗り壁の風合い。(ホワイト)

RM-846


やわらかなトーンのブロック調。(ホワイト)

RM-847


ウォーム系でイチ押しの織物調。(ベージュ)

2028年までの長期継続品番

VS-8054


塗り跡控えめのシンプルな塗り壁調(ホワイト)

 

2027年までの長期継続品番

SLP-243


ザラッとした質感の塗り壁調(ホワイト)

SLP-248


控えめな仕上げの塗り壁調(ホワイト)

SLP-250


少し粗めの吹き付け調(ホワイト)

 

2025年までの長期継続品番

SP-9703


立体感ある塗り壁調(ホワイト)

SP-9713


厚みがあるシンプルな織物調(ホワイト)

SP-9719


ナチュラルインテリアに合う織物調(ベージュ)

★日本の賃貸マンション・アパートに最も貼られている、超ロングセラー&ベストセラー品番。品番の末尾が「19」で受け継がれるサンゲツの永久欠番的存在。

SP-9721


メリハリの効いた織物調(ホワイト)

SP-9723


ナチュラルな織物調(ベージュ混じるホワイト)

SP-9728


穏やかな塗り感が特徴の塗り壁調(ホワイト)

SP-9744


動きのあるシンプルな石目調(ホワイト)

SP-9741


ラフでマットな吹き付け調(ホワイト)

SP-9755


シンプルな細かい織物調(ホワイト)

SP-9760


シャープなテクスチャの織物調(アイボリー)

RM-838


広い空間におすすめの塗り壁調(ホワイト)

RM-872


温かみのある細かい織物調(ベージュ)

RM-842


繊細なペイントタッチの吹き付け調(ホワイト)

RM-885


モダンで温かみのある石目調(ウォームグレー)

 

まとめ

改めて「長期継続壁紙」の魅力とおすすめポイントをまとめてみます。

  1. 長期継続による安心感!
    自分のペースで少しずつ壁紙を貼り替えたい時にも長期的な計画が立てやすく、安心してご利用いただけます。
    ※通常はどんな壁紙でも発売から2~3年で廃番になる可能性があります。
  2. 定期的な部分補修に対応できる
    賃貸物件などでの入居者入れ替わりのタイミングや、頻繁に汚れる空間など、定期的な貼り替えが必要な空間にもおすすめです。長期的に継続しているので、汚れたところ、破れたところだけの部分補修に対応できます。
  3. ちょっぴりエコ
    同じ壁紙がないことによる全面貼り替えを避けられるため、必要最小限の貼り替えでゴミの削減につながります!

 

こんなにメリットのある壁紙なら、通常よりお高くなるのでは……?と思われた方、ご安心ください!
長期継続壁紙は、国産壁紙の中で最もリーズナブルな壁紙の価格でお求めいただくことができます。

地球への負荷を少しでも減らすことが求められる昨今、自分の選択にもポジティブな気持ちになれる、色んな意味で「お得な壁紙」ではないでしょうか。
長期継続壁紙を、ぜひ今後の選択肢の一つとしてご検討ください。

 

【おまけ】壁紙探偵団への依頼方法

壁紙屋本舗では、皆さんの壁紙探しをサポートする「壁紙探偵団」という無料のサービスを行っています。
全国から日々たくさんのご依頼が届いています。

tanteidan-futo


メールでも受け付けているのですが、特にシンプルなデザインの壁紙は画像での判別が大変難しいため、下記宛先まで「壁紙の切れ端(最低5cm角程度)」をお送りください。端切れが大きいほど探しやすくなります。

〒551-0013
大阪府大阪市大正区小林西1丁目15-12
壁紙屋本舗「壁紙探偵団」係


すでに廃番となり同じ壁紙が見つからないこともあります。現行のカタログに似ている壁紙がある場合は、そのサンプルをお送りします。

カタログと切れ端を照らし合わせながら探すというアナログな方法のため1週間ほどお時間をいただきますが、微力ながら皆さまの壁紙探しのお力になることができればうれしく思います。

ドイ
profile
男児2人を育児中の兼業主婦。
流行りの芸能ニュースよりも、ゲームやヒーロー戦隊に詳しくなり続ける日々。
ゲームでは大人げなく子どもにも全力で勝ちにいきます。



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