障子紙の施工方法~糊で貼る基本編&強化障子紙の両面テープ編~

shoji_eyecatch2 ふすま・障子の施工方法

日本の伝統的な建具「障子」。
洋風の内装が広まり純和風建築の住宅が減ってきたとはいえ、1~2部屋が和室という住宅は今でも多く存在していますよね。
和の雰囲気そのままに使っていきたいというお宅や、少しモダンな雰囲気に変えたいというお宅もあるでしょう。

いずれの場合も聞こえてきそうなのは、「定期的な障子紙の張り替えが面倒・・・」というお声。

でもコツさえつかめば大丈夫!
障子の張り替えをマスターして障子のある生活を楽しんでいきましょう。

和紙の模様や「色を楽しむ障子紙」で雰囲気の変化を楽しむのもおすすめですし、両面テープで簡単に施工でき、環境によっては10年耐久する「強化障子紙」をご利用されるのも選択の1つ。

こちらのページでは、糊を使った基本的な障子紙の施工方法と、専用両面テープを使った強化障子紙(プラスチック系)の施工方法について紹介していきます。

 

 

押さえておきたい障子の”キーワード”

障子紙の施工をご紹介するにあたり、聞き慣れない言葉がチラホラ飛び出してくると思います。
まずは本ページを読むために押さえておきたいキーワードをご紹介!
施工方法に入る前にぜひチェックしてみてくださいね。

▼建具(たてぐ)
ドア・窓・障子・ふすまなど、開閉して部屋をしきる物の総称。
出入口、通風口、採光といった役割に応じ、さまざまな建具が用いられる。

▼桟(さん)
戸・障子などの骨組み。

▼タテ木
障子を立てたとき桟のタテ方向の骨組み部分。

▼ヨコ木
障子を立てたとき桟のヨコ方向の骨組み部分。

▼紙じゃくり
障子の桟(さん)の、障子紙を貼る面にある段差。(※段差がない場合もあります)
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障子紙のカンタン施工方法|糊で貼る基本編

使用する道具

のりのりバケ、トレイ(障子用のりを入れる容器)、定規カッター、セロテープ、タオル

※障子貼りに最低限必要な道具3点(ワンタッチのり・ヘラつき丸刃カッター・万能定規)が揃ったセットもあります!

 

糊を使った障子紙の貼り方

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  1. 古い障子紙をはがす
    古い障子紙はできるだけ破って取り除き、障子の桟(さん)の紙がこびりついている所(糊付けしてある部分)は、水を湿らせたタオルで軽くこすり、きれいにはがします。 桟に残っている糊をしっかり取り、桟全体をきれいに拭き取ってください。
  2. 貼る位置の確認(図で説明)
    床に新聞紙などを敷き、障子紙を貼る面を上にして、障子戸を寝かせます。
    戸の上に障子紙を広げ、貼る位置を確認します。
    戸と紙の平行を確かめ、貼り始めの紙の端を4ヶ所程テープで固定します。
  3. 糊を付ける
    ハケで糊を桟の枠に付けます。
  4. 障子紙を貼る
    テープで止めたところから、障子紙をゆっくり転がし、糊の付いた所を手で押さえながらしわが出ないように慎重にまず軽く貼ります。
    次に、中央部から広げるように周囲に紙を押さえてきっちりと貼っていきます。
  5. 仕上げ
    障子紙の濡れた所が白くなり、半乾きの状態になったら紙の不要部分をカットします。
    カットする不要な部分に定規を直接当て、よく切れるカッターできれいに切ってください。
    タオルで不要な糊分を拭き取ります。

 

 

強化障子紙の施工方法|専用両面テープ編

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その名の通り汚れや衝撃に強い、「強化障子紙」という障子紙があることをご存知ですか?
破れやすく貼り替えが大変!という障子の欠点を補った画期的な商品です。

見た目は和紙の持つソフトな雰囲気をそのまま保ち、強度を増した仕様で水拭きまで可能。
さらに嬉しいことに、お手軽に両面テープで施工することができるのです。

それでは施工方法を見ていきましょう!

以下、説明に使用されている図は「ワーロンシート」のものですが、プラスチック系の強化障子紙は同じ方法で施工していただけます。

 

強化障子紙の貼り方(専用両面テープ)|紙じゃくりがない(浅い)場合

※「紙じゃくり」などの用語解説はこちら>>

  1. 紙じゃくり(枠にある段差)がない、または浅い場合は、事前にシートを寸法切りする必要はありません。
    すべてのタテ木に専用両面テープを貼り、はくり紙をはがします。
    (※専用両面テープ付属の商品もありますので、各商品詳細をお確かめください。)
  2. 上からすべてのヨコ木に両面テープを貼り、はくり紙をはがします。
  3. シートを乗せてしっかりと押さえた後、余分なシートを切り落とします。

 

強化障子紙の貼り方(専用両面テープ)|紙じゃくりが深い場合

※「紙じゃくり」などの用語解説はこちら>>

  1. あらかじめシートを建具の紙じゃくり(枠にある段差)の外寸よりも上下左右各1mm小さく切ります。
     
    ※図中「ワーロンシート」=強化障子紙のことです。
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  2. 下桟(建具の一番下部の桟)とすべてのタテ木に専用両面テープを貼ります。
    まだ、はくり紙ははがしません。
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  3. シートがずれないように固定しながら下桟だけはくり紙をはがし、一辺だけを貼り付けます。
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  4. 固定した下桟の方向にシートを巻き上げてから、タテ木の両面テープのはくり紙を上部から引きはがします。
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  5. その上からすべてのヨコ木に両面テープを貼り、はくり紙をはがします。
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  6. 巻き上げたシートをたるまないように注意しながら、少しずつ戻して貼り付けます。
    最後に接着面をまんべんなく指先やローラー等でしっかり押さえます。
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専用両面テープで貼ったシートのはがし方

  1. 接着部分に80℃~90℃くらいの熱(ドライヤー、アイロン)をかけながら、シートをゆっくりと引きはがします。
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  2. 枠に残った両面テープをしばらくおいて熱を冷ましてから、木目に逆らわないよう、ゆっくり引き上げながらはがします。
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両面テープがきれいに取れない場合

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桟に残った両面テープが取れない場合は、「シール剥がし剤」を使用してください。市販のシール剥がし剤で問題ありません。

  1. 剥がし剤を両面テープの粘着剤の部分に塗布、またはスプレーします。(※商品によってタイプが異なります)
  2. 10分くらいおいて、テープの粘着剤が柔らかくなったらテープを取り除きます。
  3. 建具に付いた剥がし剤は最後によく水拭きします。

<ご注意>
塗装してある建具に「シール剥がし剤」を使用すると、塗装もはがれる恐れがあるため使用しないでください。

強化障子紙の施工上の注意

  • 裏表がないので両面どちらでも接着でき、重ね貼りもできます。
  • シートは温度変化によって伸縮を繰り返すため、桟の間隔が広い建具の場合はシートのたるみが目立ちやすくなります。温度変化での伸びによるたるみをなるべく抑えるためには20℃以上の環境での施工をおすすめします。
  • シートの端から、結露時の水の吸い上げなどでシミの原因となる場合がありますのでご注意ください。

専用両面テープでの施工上の注意

  • 桟が湿っているとしっかり接着できないので、完全に乾いてからお使いください。
  • 桟がでこぼこしている場合はサンドペーパーなどで接着面を平らにしてください。
  • 専用両面テープ以外の両面テープをご使用になると、はがれる場合がありますのでご注意ください。

 

 

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