公開日:2025.04.07
日本の素晴らしいアーティストやデザイナーと手を組み、新しい MADE IN JAPAN の壁紙を世界へ発信する壁紙ブランドWALLTZ(ウォルツ)。
「WALLTZ’s CREATOR」では、WALLTZに所属するクリエイターの活動などをご紹介します。
今回は、表情豊かな動物たちのイラストにファンが多い、イラストレーター・よしだよしえいさんにインタビュー。
琵琶湖のほとりに構えるアトリエで、制作やこれからの取り組みについてお話を伺いました。
CREATOR's PROFILE | よしだよしえい

よしだよしえい|yoshiei yoshida
1980年 滋賀県甲賀市出身
2000年 京都嵯峨美術短期大学 環境デザイン学科卒
2013年 個展「一枚の絵本展」
2014年 個展「相思相愛」
2022年 絵本「カベレオンのとなりのへやはどんなへや?」作画
グラフィックデザイナー。イラストレーター。
デザイン事務所勤務を経て、2013年にデザイン事務所「YOSHIDAKE」のイラストレーター兼グラフィックデザイナーとして独立。
インテリアの壁紙や手描きイラストを中心としたデザインを制作。
@yoshidayoshiei_illustration

イラストレーターになるまで

ー 子どもの頃から絵を描くのがお好きでしたか。
紙とペンがあれば何でも描いちゃう子どもでした。
描いた絵を友達に褒めてもらえたりして、それがうれしくていっぱい描いてました。
ー デザインの勉強はどこでされましたか。
京都の大学で環境デザインを専攻していました。
ただ漠然と、美術やデザインの仕事が将来できたらいいなと思い、建築やプロダクト、インテリアのデザインを勉強しました。
大学卒業後に、専門学校に入り直してグラフィックデザインを勉強しました。

▲制作中のよしえいさん
ー イラストを描き始めたのは社会人になってからですか。
デザイン事務所に勤めていた時、私の描いた鉛筆画のラフスケッチを見た旦那さんが「これ良いやん!この絵を本番のデザインに使いたい!」と言ってくれたのがきっかけで、デザインと並行してイラストも自分で描くようになりました。
絵にデザインが加わることで、自分でも思ってもなかった衝撃というか、強く感動したことを覚えています。
琵琶湖のほとりにあるアトリエ

▲湖畔から望む比良山系
ー 琵琶湖の近くを選んだ理由をお聞かせください。
元々は京都のデザイン事務所で働いていて、旦那さんと二人でグラフィックデザイナーとして独立したのも京都でした。
独立した頃に子どもが生まれて、子育てするのにもうちょっと広い環境や自然があるところに行けたらいいなと思っていました。
ちょうどそんな時に、滋賀の家を貸してくれるという友達がいたんです。見に来てみたら、琵琶湖が目の前で自然もたくさんあったので、ここに住みたいと思って引っ越してきました。

▲壁いっぱいに飾られた作品の数々
ー 自然に囲まれた環境は制作に影響していますか。
影響しているかは分からないですけど、アトリエがある滋賀県の湖西地域は、琵琶湖と山がギュッと近くて、毎日表情の違う湖や山を感じながら制作できるのがすごく気に入っています。
日常の中でふっとした余白みたいな、ただぼーっと山を眺められる時間が好きです。



▲冬には雪景色が広がる
制作について

▲iPadでの制作風景
ー 最近はデジタルで描かれていると思いますが、アナログでの制作との違いはありますか。
個人的には、どちらで描くかの違いはあんまり感じていません。
私の場合、デザインの延長線上のイラストなので、いつもデザインのことを考えながら描いています。デザインしてみてうまくいかなければ後から描き直したり、クライアントさんの要望があればすぐに修正できたり、そういった点でデジタルの使いやすさは感じてます。
ー アナログからデジタルに移行したきっかけはありますか。
初めは鉛筆の線は鉛筆じゃないとダメだと思っていたので、かたくなに使ってなかったんですが、ある時iPadで描く機会があって。
描いてみたらアナログと変わらない感じで絵が描けたので、今はほとんどをiPadを使って描いています。



▲今までに手掛けたイラスト
ー 全体の構図は最初に決めますか。
デザインを考えるときは最初に構図なども決めて作っています。
自由に描いていい時は落書きからスタートして、気に入らなければどんどん描き直して、どんどん変化させながら描いています。

▲手描きの味わいも大切に
イラストに登場する動物たち

▲猫たちの個性あふれる表情にほっこりする「猫と果実」
ー よしえいさんのイラストには動物がたくさん登場しますね。動物たちの何とも言えないしぐさや表情がとても愛らしくどれも個性的ですが、描くときのこだわりや気を付けていることなどありますか。
基本的に好きな動物を描くことが多いので、可愛いなと思いながら描いています。
その中でも野性味とか毒っぽさ、鈍臭さとか不細工さも含めて可愛いと思っているので、それをできるだけリラックスした状態で表現し、伝えられたらと思って描いています。

▲何か言いたげなクマさん
ー 実際に飼っている猫がモデルになることもありますか。
今は、そらちゃんとあーちゃんとうーちゃんという3匹の猫と暮らしています。
生活の中に3匹がいて、じっくり観察できるので、自然とうちの子の表情とかポーズとかしぐさが絵になっていることが多いです。

▲さび猫のあーちゃん

▲きじとらのそらちゃんと、黒猫のうーちゃん
絵本「となりのへやはどんなへや?」について

▲絵本用のイラストを描くよしえいさん
ー 「壁紙屋本舗」の企画から生まれた絵本では、主に作画を担当いただきました。制作時の苦労などありましたか。
絵本については、ストーリーも壁紙屋本舗さんのメンバーと一緒に作らせてもらいました。
みんなが喜んでくれたり、驚いてくれたり。たくさん反応をもらいながらの制作だったので、大変なこともありましたが、一番は「楽しかった!」です。
たくさん壁紙を扱っている壁紙屋本舗さんだからできた、いろいろな動物たちが住む部屋の壁紙がテーマになっている絵本です。いろんなお子さんに、壁紙ってこんなに自由なんだ、とドキドキワクワクしながら見てもらえたらうれしいです。

▲多くの子どもが「部屋を楽しむ文化」に触れるきっかけを作りたい、という想いから生まれた絵本
2022年10月4日発行
価格 :1,200円(税込)
ページ数:32ページ
大きさ :A4サイズ
厚み :約10mm
発行 :株式会社フィル
これまでに影響を受けたもの

ー これまでに影響を受けたものについて教えてください。
これまでに影響を受けたものは絵本かなと思います。
子どもの頃からたくさん絵本を見てきましたが、大人になってから出会った絵本に特に影響受けてるんじゃないかなと思います。
ブルーノ・ムナーリとかオーレ・エクセルとかディック・ブルーナとか…
すごくシンプルな線のイラストなのに、グッとひきつけられる構図やストーリーにするデザインの力がかっこいいなと感じて、そこから広告物やデザインについて興味を持ち始めました。
これから取り組んでいきたいこと

▲家族でよくお散歩する湖畔
ー これから取り組んでいきたいこと、チャレンジしたいことを教えてください。
自分たちの表現活動に、もっと力を入れていきたいなと思っています。
旦那さんと二人で新しく「you are very good good」という名義で、自分たちのモノづくりのブランドを作ろうとチャレンジしているところです。
「you are very good good」というブランド名は、近くにいる人と「いいね、いいよ」と褒め合って認め合う、というメッセージを込めています。
自分自身にも言い聞かせながら、そんな風なモノづくりと表現活動ができたらいいなと思っています。

▲褒め合って認め合う、誰もが笑顔になる魔法の言葉
動画で見るインタビュー
よしだよしえいさんのインタビューは、YouTubeでもご覧いただけます。WALLTZでの取り扱い商品|よしだよしえいの壁紙
WALLTZでは、よしだよしえいさんデザインの壁紙を取り扱っています。詳しくは、以下の商品ページよりご確認ください。
制作・撮影/株式会社フィル WALLTZチーム

2018年よりWALLTZを担当。
家では保護猫きょうだいからのおしりポンポン要求に応える日々。
引っ掻きキズのある壁紙の貼り替えを検討中。
アート、ファッション、レトロ建築好き。