公開日:2022.09.27
ホンポは、世界中の人々の暮らしがもっとHappy!になればと「壁紙のホントの楽しさ」を広めるため日々努めてきました。
これからもずっと暮らしを楽しみ続けるため、今地球で起こっている問題にも目を向け、自分事として捉え、できることからコツコツ取り組んでいます。
今回はそんな取り組みから生まれた商品やサービス、社内の変化についてご紹介したいと思います。
商品化編
ホンポはさまざまな種類の壁紙を取り扱っていますが、その中にポリ塩化ビニル(PVC)を原料としたビニール壁紙が含まれています。
日本国内のほとんどの住宅で使われており、毎年大量に生産され、破棄されています。ポリ塩化ビニルは、破棄されるときの環境汚染が問題となっているプラスチックの一種です。
ビニール壁紙が広く普及しているのにもそれなりの経緯がありますが、壁紙を貼ることによる環境への負荷を少しでも抑えられるようにしていかなくてはなりません。
そのためホンポでは、受注生産を採用してごみの量を減らすこと、自然素材を活用した壁紙の商品化、使い捨てではなく繰り返し使える壁紙の開発などに力を入れて取り組んでいます。
特にここ数年、「環境に配慮した素材」を活用した壁紙を次々と発売してきました。
リサイクルペットボトルから再生された壁紙|Hattan
Hattan(ハッタン)は、ペットボトルから生み出されるリサイクルポリエステルと、植物原料のレーヨンを使用した素材で作られた壁紙屋本舗オリジナルのエコな壁紙です。
素材の裏には、じゃがいも由来のでんぷんから作られた「貼ってはがせるのり」が加工されているので、水に浸すだけで貼ることができ、剥がしてまた水に浸せば5回ほど繰り返し貼ることができます。
受注生産なので在庫は一切抱えず、折りたたむこともできるのでコンパクトに梱包ができ、製造・発送工程も含めて環境への負荷が少ない壁紙です。
剥離紙が無くゴミを削減できる|EASY WALL TAPE
掲載商品:リブウッド EWT05
マスキングテープと壁紙のいいとこ取りをした、初心者の人も手を伸ばしやすい大人気の壁紙シリーズです。
幅23cmと、かなりコンパクトなサイズで扱いやすく、特別な道具を使わずにきれいに貼ることができます。
通常のシール壁紙は裏面の剥離紙をはがして施工するため使用する面積分のゴミが出ますが、イージーウォールテープはマスキングテープのようにそのまま貼ることができるロール状。
ゴミの削減にもつながるエコな壁紙です。
野菜くずを再利用した壁紙|Food Paper
食品廃棄の増加は世界的な問題となっています。
Food Paperは、廃棄される野菜の皮などを再利用し原料として活用した壁紙です。
楮や麻の繊維と一緒に伝統的な手漉き和紙の製法で作られており、食料資源の有効利用の一旦を担っています。また、近年深刻になっている和紙の原材料不足を補う可能性も秘めており、伝統と未来、教育の観点を兼ね備えています。
ほんのり色づく野菜の色合いや、素朴で独特な手漉きの風合いも魅力的な壁紙です。
100%植物由来の壁紙|FLAX WALLPAPER
FLAX WALLPAPERは、亜麻(リネン)の繊維と植物由来の繊維、ビスコースレーヨンでできた壁紙です。
亜麻とは、少ない水の量で成長できる「一年草」の植物。
一般的な木が10年以上かけて成長するのに対し、1年という短期間で急速に成長するので、今ある森林を破壊せずに生産することができる繊維素材です。
印刷にも有害な溶剤を含まない水性のラテックスインクを使用しており、素材とインク共に環境に配慮しています。
FLAX WALLPAPER の基材は世界最高水準の安全レベル。繊維関連の「素材」や「製品」に有害な化学物質が含まれていないことを証明している「エコテックス®スタンダード100」認証を取得しています。
環境にも人にもやさしく、和紙のような風合いと、生成りのような素朴な色味が魅力的な壁紙です。
素材を丸ごと活用した|丸だき和紙
丸だき和紙のベースとなる黒谷和紙は、熟練の職人の手で漉かれ、文化財の修復にも使われている伝統的な和紙です。
その製造工程で取り除いてしまう楮の皮をまるごと手漉きしてつくられたものが、「黒谷の丸だき和紙」。
楮は、成長のスピードが早く木を枯らすことなく繰り返し原料を得ることができます。そのため環境を破壊しないというだけでなく、本来ゴミとなるはずだった部分を資源として活用することができゴミの削減にもつながっています。
丈夫で破れにくく、素材の荒々しい表情がインテリアに奥行きを与えてくれる風合い豊かな壁紙です。
\ 土に還った壁紙たちの話 /
Food Paper、FLAX WALLPAPER、丸だき和紙には共通点があります。それは、100%植物由来の素材から作られているので、土に還ること。
この自然素材の壁紙が本当に土に還るのか、ホンポの庭で実験を行いました。
その結果や、なぜ土に還る壁紙が環境にやさしいのかについては、こちらの記事にまとめています。
発信・サービス編
「発信する」ことで起きる変化や、新たな出会いがあると思い、考えていること、取り組んでいることを発信しています。
壁紙の絵本出版|カベレオンの となりのへやはどんなへや?
ホンポは、壁紙の楽しさをたくさんの人に伝えるべく日々奮闘しています。しかし日本の家ではまだまだ白い壁紙が主流で、壁紙を自分で貼り替えられることを知らない人も多いと思います。
そこで小さい頃から壁紙の楽しさに触れてもらえたらと、壁紙の絵本を出版することにしました。
タイトルは「カベレオンの となりのへやはどんなへや?」。
子どもにとって身近な存在の「絵本」が、暮らしを楽しむことや壁紙への興味・関心のきっかけとなり、ホンポのビジョンである「全人類職人化計画」の実現につながっていけばと思います。
\ 2023 えほん 50 に選定 /
「カベレオンの となりのへやはどんなへや?」が、公益社団法人全国学校図書館協議会(全国SLA)の選ぶ『2023 えほん50』に選定されました!
年間およそ1,000点を超える新刊絵本から、ぜひ子どもたちに読んでほしいと推薦されるものです。
となりのお部屋を順々に訪れ、住人たちのカラフルなお部屋や楽しい暮らしぶりに触れていきます。
真っ白だった自分の部屋にも、好きな壁紙を貼ってみようと決意。
さあ、どんなお部屋になるのかな……?
壁紙のレンタルサービス|カリテくらす
「カリテくらす」とは、大阪府下にある一部地域のUR賃貸住宅を対象に実施している、家具・家電のレンタルサービスです。
家具や家電のレンタルはこれまでにもありましたが、対象アイテムの一つにおそらく日本初となる「壁紙」が組み込まれ、壁紙もレンタルできる時代になりました。
このサービスに採用されたのが、ホンポオリジナル商品のHattan(ハッタン)です。
レンタルアイテムに不可欠な繰り返し使用できるという持続性や地球にやさしい素材の特色が、「身軽な生き方」や「持続可能な未来」を目指すサービスのコンセプトにフィットしました。
「買っては捨てる」を繰り返すのではなく、必要なものだけを「借りて暮らす」サスティナブルなシステムの構築を目指しています。
2023年年3月31日をもちまして「カリテくらす」のサービスは終了となりました。
詳しくはこちら(※カリテくらす公式サイト) >>
インスタグラム発信|Hattan手芸倶楽部
壁紙から何か地球にやさしいことができないか。
そう考えたスタッフが立ち上げたのが「Hattan手芸倶楽部」です。ホンポオリジナル商品のHattanを使い終えた後、そのまま捨てるのではなく、さらに楽しんで活用してもらえたらという思いから発足しました。
こちらは壁紙屋本舗の公式Instagramで発信しており、Hattanを使ったフォトフレームやマスクケースの作り方などご紹介しています。
ぜひチェックして見てください!
公式サイト|性別選択欄の廃止
壁紙屋本舗の公式サイトでは、サイトの会員登録をする際の項目から、性別選択項目を廃止しました。
自認する性別と一致しない項目を選択することに抵抗や負担を感じている人を少しでも減らせたらという思いから見直しを行いました。
コラム発信|今日と明日と未来とホンポ
これまでなんとなくやってきたことを「意識化」し、「発信する」ことで、もっと私たちのことを知ってもらえたり、いい出会いや化学反応があるかもしれないと思い「今日と明日と未来とホンポ」というコラムを始めました。
「オモロくなくちゃ始まらない」をモットーに壁紙を販売するホンポで今日や明日できることから未来につなげていければと思います。
社内での取り組み編
ものづくりに携わるホンポは、社内から出るごみや普段過ごす環境についても自分たちにできることがないか改めて見つめ直し、改善に取り組んでいます。
社用車に電気自動車を採用
10年以上前から、社用車に壁紙を貼るプロジェクトに挑んでいるホンポ!
近年はCO2の削減を意識し、社用車2台に電気自動車(EV車)を採用しています。
壁紙を貼ったときの様子は、以下の記事で詳しくご紹介!
屋上の緑化
大阪にあるホンポの社屋の屋上は、今まで一面コンクリートでした。
Before
そこに植物をたくさん植えると、無機質だったスペースが大変身しました。
\ After /
屋上の緑化は、夏は室内温度の上昇を軽減、冬には保温効果を発揮するなどエネルギーの削減につながります。
また、植物は取り込んだ科学物質や汚染物質を土の中に運んで分解し、酸素として大気中に吐き出すため大気のリフレッシュ効果が期待できます。
スタッフの癒しスポットとして、交流や憩いの場にもなっています。
社内フリーマーケット開催
サイズアウトして着れなくなった服、読み終わった本。
こうした「自分にとって不要なもの」でも、ほかの人の元にいくと再び活用してもらえるかもしれません。
こんな機会を作るべく、9月上旬にスタッフが使わなくなったものを持ち寄り、ほしいスタッフに譲るという社内フリーマーケット(という名の物々交換会)を開催しました。
第1回目となった今回は、総出品数179点!
本や服、食器、家電などたくさんの物が集まりました。
持ち寄ったものは無料で持って帰ることができ、次の方に大切に使ってもらえるよう、商品に対するコメントやエピソードを添えて出品するという形を取りました。
また、部署が違ってあまり話す機会がなかった人とも話せるきっかけとなり、和気あいあいとしたイベントになりました。
不要な人から必要な人へ、社内でも支えあって少しでも地球にやさしい選択ができればと思います。
エコバック貸出し
コンビニやスーパーに行く際、ついエコバックを忘れ、レジ袋を購入することがあるかもしれません。
そこで、社内でエコバックの貸し出しを始めました。
家で眠っているエコバックをスタッフが持ち寄って社内に設置し、お昼休みなどの買い物に誰でも利用することができます。
レジ袋の削減はもちろんのこと、普段家からエコバックを持ってくる習慣がない人にもエコバックを使用する習慣を取り入れてもらえればという思いも込められています。
FREE傘の設置
突然雨が降ってきたとき、心強いのが安価でどこでも買えるビニール傘です。
しかし、そのお手軽さがゆえ、あっという間に捨ててしまったり傘立てにずっと放置してしまったりと、ものを大切にする意識を低くすることが問題視されています。
社内でも「名前のないビニール傘」の増加は問題となっていました。
これまで名前のないビニール傘は定期的に処分していましたが、ビニール傘は鉄とプラスチック部分の分別が難しいことから、リサイクル処理が困難だといわれています。
そこで、名無しのまま放置されている傘たちを、急な雨などで必要な人に向けてFREE傘として設置することにしました。
社内でシェアをすることで、少しでもビニール傘の消費が減り、ビニール傘の問題を意識するきっかけになればと思います。
ベジタブルインキ・再生紙の使用
商品と一緒にお送りしている説明書などの紙類や、ホンポが制作に携わる壁紙専門情報誌「WALLPAPER WORLD」には、積極的に再生紙を採用しています。
また、印刷するインクは、再生産可能な植物や廃食用油をリサイクルした再生油から作られたベジタブルインキを使用。
通常のインキに比べ紙とインキが分離しやすいので、再生紙への利用が低コストで行えます。石油系のインキと比べても、焼却時に大気汚染の原因となる成分の発生を減らすことができ、土中や水中の微生物によって分解されます。
ごみ圧縮機の導入
こちらは電力エネルギーを使わず手動で使えるごみ圧縮機で、ごみの容積を約5分の1に圧縮することができます。
ごみの内容が変わるわけではないから、環境負荷も変わらないのでは?と思うかもしれませんが、かさばる廃棄物を圧縮することで排出容積を減らすことができます。
ごみ収集車の回収頻度を減らせると、CO2削減につながります。
冷蔵庫改革|会社から出る食品ロスを削減
社内の冷蔵庫には、コーヒーを飲むためにスタッフが各自持参した牛乳や豆乳が入れられています。
冷蔵庫が広いため、奥に入ると目が届きにくく賞味期限切れのものが増えてしまうことが度々ありました。
そこで冷蔵庫内の賞味期限切れをなくすべく、取り出しやすいよう収納ケースを設置しました。
それまで冷蔵庫の中に分散していた豆乳・牛乳たちが、ケースに入れることで取り出しやすくなり置き忘れも減りました。
社内から出る食品ロスを減らしていけるよう、定期的にチェックしています。
古紙・アルミ付き紙容器の回収
社内で使い終わった紙類は古紙回収に。
スタッフが持参した牛乳パックや豆乳パックは、アルミ付き紙容器の回収リサイクルサービスに回しています。
発案したスタッフが古紙回収のポスターを作成して社内に掲示、回収場所を設置しました。
それまでは普通ゴミに捨てていたちょっとした紙類も、各自持ち寄るようになりました。
使い終わった紙や牛乳パックなどをそのまま燃えるごみとして捨てるのではなく、古紙として分別しリサイクルに回すことで、少しでも森を守る取り組みに貢献できればと思います。
古紙回収のほか、古紙を再利用して紙薪を試作中です。
紙薪とは、新聞紙などの古紙を濡らして成形し乾燥させて作った薪のこと。
紙薪の試作
暖炉での着火実験
冬の寒い日にはカフェスペースの暖炉に薪を入れて火を起こしていますが、ゆくゆくは社内の古紙から作った紙薪がホンポを暖めているかもしれません。
おわりに
最近は特に、サスティナビリティやSDGs(エスディージーズ)といった言葉をよく聞くようになりました。
SDGsが目指す目標はとても大きなものに感じますが、まず身近な問題から向き合うことが目標達成への一歩になると思います。
これからもホンポは、「おもろいことを全力で」をモットーに、できることからコツコツと取り組んでいければと思います。
今回開催された社内フリーマーケットでは、先輩からダテメガネをいただきました。
色々な場面で活躍しています!