みなさまはクッションフロアを購入するときに「何メートル買えばいいのだろう」と悩んだことはありませんか?
安価で比較的かんたんに施工ができる人気の床材でありながら、敷き方や必要な量の想像がつきにくいクッションフロア。
実はお問い合わせをいただく商品No.1でもあります。
そこで今回は、
「クッションフロアってどのくらい買ったらいいの?」
という方に向けて、その計算方法や注意点などについて詳しくお話したいと思います。
2022年7月より、クッションフロアの切り売り単位が m(メートル)単位→10cm単位 に変更となりました。
※商品ごとに最低50cm、もしくは1m以上のご購入が必要となります。
6畳ならどのくらい必要?
ご購入を検討中の方からよく頂くこんな質問。
せっかくお問い合わせいただいても、
実は「畳」「平米」の単位では必要量が割り出せないというのがお答えです。
というのも、畳の大きさは地域によって違うため、6畳や8畳と一口に言ってもお部屋の面積が異なります。
また、お部屋の縦横の比率によっても必要量が変動し、平米数でも同じく割り出せないため、お部屋のサイズを詳細に測る必要があるのです。
よって、クッションフロアの購入を決めたら「畳」や「平米」を調べるのではなく、まずは
②お部屋のcm単位の詳細なサイズ
この2点を明らかにしましょう。
これらのサイズがあれば「どのくらい買ったらいいの?」という疑問もキレイに解消!
それでは必要項目が分かったところで、さっそく計算方法について詳しく見ていきましょう。
便利な自動計算ツール
壁紙屋本舗では「必要量の計算方法がわからない!」「計算するのが面倒だ!」という方向けに、自動で計算をしてくれるという便利なツールを設けています。
こちらがそのツールです▼
上記のツールでは、先ほど必要項目として明らかにした商品のサイズ(横幅)を❶に、お部屋のサイズを❷と❸入力してボタンを押せば、自動的に必要な量を割り出してくれます。
商品のサイズについて
では自動計算ツールの❶に入力する商品のサイズ(横幅)についてご説明していきます。
クッションフロアの横幅は製品によって異なるので、検討中の商品ページで詳細を確認しましょう。
ここで1つポイントがあります。
商品によっては「ダブルサイズ」と「ハーフサイズ」の2種類あるという点です。
クッションフロアは、ダブルサイズという大きいサイズのものが主流。
しかしながら重くて大きいため、特に女性にはハードルが高く、また送料も高いというデメリットもありました。
そんなメリットがあるなら、
と思ってしまいますよね。
しかしながら、一概にそうとも言い切れません。
なぜならクッションフロアを敷きたいお部屋のサイズによって、メリットとデメリットがあるからです。
ではどちらがどんな場所に適しているのか比較してみましょう。
お部屋のサイズについて
部屋の面積による商品サイズのメリット・デメリット
ハーフサイズ | ダブルサイズ | |
---|---|---|
大きい部屋の場合 | 幅が狭いため敷く枚数が多くなる | 幅が広いので少ない枚数で施工可能 |
小さい部屋の場合 | 少ない枚数で施工が可能 | 余りが多くなってしまう |
大きい部屋におすすめのダブルサイズ
例として、360cm×360cmの正方形のお部屋への施工でダブルサイズとハーフサイズを比べてみます。
上の図を見てもわかるように、ダブルサイズは2枚で敷くことができて繋ぎ目は一カ所です。
一方ハーフサイズは4枚必要となり、繋ぎ目は3カ所。
ハーフサイズは大きい部屋に施工すると継ぎ目部分が多くなるので、そこからめくれやすくなる可能性があります。
そのため、大きいお部屋の場合はダブルサイズでの施工がお勧めです。
小さい部屋におすすめのハーフサイズ
次に、90cm×180cmのトイレで比較してみます。
お手洗いや廊下などの幅が狭い施工場所はハーフサイズの得意分野です。
狭い空間で大きなダブルサイズを扱うのは大変ですが、ハーフサイズなら軽くて小さいので施工の負担も減少。
また、木目柄のように長辺に向かって敷くのが一般的なデザイン(※)の場合、幅が90cm未満の場所であれば、ダブルサイズでは半分もロスしてしまいます。比べてハーフサイズは無駄なく1枚で敷くことができるのでとっても経済的。
一般的なお手洗いの大きさは幅が約75~80cm、奥行きが約130~170cm程と1畳よりも少し小さめなので、ハーフサイズ2m×1枚が目安です。あくまで目安ですので、きちんと測ってから購入しましょう。
どうして自動計算で2つのパターンが算出されるの?
自動計算フォームに商品のサイズとお部屋のサイズを入力すれば、あとはボタンひとつで必要量が計算されます。
ではそのとおりに注文しよう…と思ったはいいものの、なぜか2つもパターンが出てきました。
その答えは、クッションフロアを敷く向きによって変わります。
敷く向きで必要量が変わると言われても、あまりピンと来ないかもしれませんね。
それでは、計算ツールに頼らず実際に計算してみながらその理由を探ってみましょう。
必要量の計算方法とは?
計算方法は2段階。
STEP2:1枚あたりに必要な長さを出す
この2つの手順があります。
例として、350㎝×260㎝のお部屋に全面敷く場合の必要量を一緒に計算していきましょう。
パターンとして考えられるのは、
「①Aの向きにハーフサイズを敷く」「②Bの向きにハーフサイズを敷く」「③Aの向きにダブルサイズを敷く」「④Bの向きにダブルサイズを敷く」の4つの場合です。
それぞれ順番に見ていきます。
パターン①Aの向き×ハーフサイズ
350cm(部屋の幅)÷90cm(クッションフロアの幅)⇒3.88…⇒繰り上げて4
つまり4枚分必要になります。
260cm(部屋の長さ)+20cm(切り代)⇒280cm
1枚あたり280cm必要なことがわかりました。
したがって、合計すると
270cm×4枚⇒1120cm
となり、必要量は11m20cmとなります。
パターン②Bの向き×ハーフサイズ
260cm(部屋の幅)÷90cm(クッションフロアの幅)⇒2.88…⇒繰り上げて3
つまり3枚分必要になります。
350cm(部屋の長さ)+20cm(切り代)⇒370cm
1枚あたり370cm必要なことがわかりました。
したがって、合計すると
370cm×3枚⇒1110cm
となり、必要量は11m10cmとなります。
パターン③Aの向き×ダブルサイズ
350cm(部屋の幅)÷180cm(クッションフロアの幅)⇒1.94…⇒繰り上げて2
つまり2枚分必要になります。
260cm(部屋の長さ)+20cm(切り代)⇒280cm
1枚あたり280cm必要なことがわかりました。
したがって、合計すると
280cm×2枚⇒560cm
となり、必要量は5m60cmとなります。
パターン④Bの向き×ダブルサイズ
260cm(部屋の幅)÷180cm(クッションフロアの幅)⇒1.44…⇒繰り上げて2
つまり2枚分必要になります。
350cm(部屋の長さ)+20cm(切り代)⇒370cm
1枚あたり370cm必要なことがわかりました。
したがって、合計すると
370cm×2枚⇒740cm
となり、必要量は7m40cmとなります。
4パターン比較の結果
敷く向き、敷く商品の大きさによって、必要量が変わってくることがわかりました。
計算した4つの中だと「③Aの向き×ダブルサイズ」が
繋ぎ目が1カ所で済みますし、無駄も少なく良さそうですね。
しかし、ここでもポイントがあります!
上記の例では「テラコッタ柄」を当てはめていますが、もし「木目柄」だった場合は敷く向きに注意が必要です。
中でも木目柄には、プロの業者さんも意識しているポイントがあります。
それは、木目柄は「長辺に向かって木目が流れるように敷くと、奥行が感じられてお部屋が広く見える」ということ。
大きなお部屋や、ほぼ正方形のお部屋は気にせずとも構いませんが、長方形のお部屋に木目柄を敷くときは柄の向きが重要になってきます。
ハーフサイズとダブルサイズは繋ぎ合わせられる?
ハーフサイズの方が無駄が少ないが、繋ぎ目が多い。
ダブルサイズの方が繫ぎ目が少ないが、無駄が多くなってしまう。
あちらを立てればこちらが立たず…悩ましいところです。
ここでひとつ思いつくのが、
というアイデア。
しかしながら、実はダブルサイズとハーフサイズを繋ぎ合わせての施工はできないのです。
その理由は、クッションフロアの『ミミ』にポイントがあります。
クッションフロアのミミって?
食パンのミミのように、ひと目でわかります。
ですが実際は両端の何mmかはミミなので、並べてみると柄が合いません。
ではどうするかというと、隣合うクッションフロアのミミを重ねてカットする「ジョイントカット施工」が必要になります。
上記の通り、2枚重ねてカッターでガッツリ切ると柄は繋がりますが、賃貸の方はここで問題が。
せっかくはがせる両面テープを用意して施工を試みて、綺麗に剥がせたとしても
「既存の床材にカッターの跡がくっきり」
ということになってしまうと意味がありません。
ハーフサイズにはミミがない!
そこで、賃貸の方の救世主となるのがハーフサイズのクッションフロア。
ハーフサイズは突き付けでの施工ができるように、はじめから耳が切り落とされています。
よって、床を傷つける心配なく施工が可能です!
ミミを先に切ったら繋ぎ合わせられる?
ダブルサイズとハーフサイズはサイズの違いだけでなく、ミミがあるかないかという違いもあることから、並べて敷くと
「片方にはミミがあるので柄が合わない」
&
「片方にはミミがないのでジョイントカット施工もできない」
ということがわかりました。
すると、こんな意見も聞こえてきそうです。
とっても器用な方ならできるかもしれません。
ですが、手作業でガイドラインもないクッションフロアのミミだけを判断してまっすぐに切るのは至難の業。
真っ白な紙を定規や折り目もないまま、何mもの長さをハサミで真っ直ぐに切ろうとするのと同じくらいの神業です。
ジョイントカット施工は、2枚重なった状態で切るので、多少歪んでしまっても断面はピッタリと合います。
一方、片方は機械で真っ直ぐにカットされたラインで、もう片方は手作業……ということになると繫ぎ目に隙間が生まれる未来しか見えませんよね。
これがハーフサイズとダブルサイズを横に並べて施工できない大きな理由です。
クッションフロアはダブルサイズかハーフサイズかを決めたら、浮気をせずに決めた方だけで施工されることを強くおすすめします。
リピートを足すってどういうこと?
自動計算フォームでAパターン○m・Bパターン○mと表示されるので、そこだけに注目しがちですが
下の方に赤字で「タテの柄リピートを足してください」という注意事項が出てきます。
この「タテの柄リピート」とは、繰り返し印刷されている柄の大きさのことです。
パーケット柄クッションフロアを例に見ていきましょう。
パーケット柄のリピート
上のパーケット柄の場合、45.5cm角の色みの違うパーケットを4種組み合わせて1リピートとしているため、柄リピートは91cmとなります。
柄があるものは、そのリピートの長さを自動計算で出た1枚当たりの必要量にプラスする必要があります。
同じ広さのお部屋に施工する場合でも、リピートの有無によって必要量が変わってきてしまうので注意が必要です。
それでは、図で分かりやすく説明していきましょう。
リピートを足さなかったとき
まずは、リピートを考えずに1mごとにカットした場合。
カットしたものを横に並べてみますが、
ご覧の通り柄は繋がりません。
リピートを足したとき
次は、必要な長さ(1m)に、縦リピート長さ(91cm)を足したメートル数を用意した場合です。
赤い部分を敷きたい範囲とすると、きちんと同じ柄を繋げられることがわかりますね。
不要な両端はカットすればOK。
タイル系デザインならではの計算方法
最後は、タイル系クッションフロアならではの計算方法。
クッションフロアにはいわゆる王道の「タイル柄」のほか、大理石やテラコッタ、木目のパーケットなど正方形をベースにデザインされた柄が多くあります。
こういった「タイル系デザイン」の場合、縦リピートではなくタイルの位置を合わせる貼り方ができます。
例えば、先ほどご紹介したパーケット柄の場合は4種類の木目(タイル)がすべて同じ大きさなので、必ずしも柄リピートで合わせる必要はなく、タイル1つ分の長さをプラスして柄を合わせることもできます。
その場合は、柄リピートをタイルの大きさ「45.5cm」に置き換えて計算します。
まとめ
今回はクッションフロアの必要量の計算方法について、ハーフサイズとダブルサイズの違いを踏まえつつ、どんなサイズをどの位購入すればいいのかについてお話しました。
ダブルサイズは、大きな部屋に敷く場合には繫ぎ目が少なくなるものの、重くて大きく送料がお高め。
ハーフサイズは、広い部屋では繫ぎ目が目立つけれどジョイントカットがないため初心者の方でも貼りやすく、また幅がダブルサイズの半分なので重さも半分に。
送料もダブルサイズに比べてお安くなっているのでお勧めです。
しかしながら価格も半分ということではないため、お部屋サイズによってはダブルサイズの方がお得なこともあるのでご注意を。
送料が高騰している昨今ですが、壁紙屋本舗ではより皆さまに寄り添うため、ハーフサイズのクッションフロアの種類を増やしています。
犬や猫などペットとの暮らしにおすすめの消臭効果や土足対応など機能性の追加されたハーフサイズのクッションフロアも展開しておりますので、是非とも床のリフォームにチャレンジしてみてください!
少し長いお話になりましたが、これでクッションフロアの「必要量計算の方法」や「柄リピート」という高い山を攻略することができれば幸いです。