現在日本の住宅にある「ふすま」にはいくつかの種類があり、こちらのページでご紹介するのは伝統的な「本襖(ほんふすま)」の張り方です。
大変なイメージのあるふすまの張り替えですが、こちらのページでは1人でも行える方法をご案内しています。
細かい注意点や手順をしっかりとまとめていますので、実際に作業する際の参考書としてご利用ください。
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本襖(ほんふすま)の特徴
まずは、本襖の特徴を押さえましょう。
本襖の構造
本襖の本体は、格子状の木枠に紙を何層か重ね張りして仕上げられています。
周囲は4本の外枠(襖縁)で囲われ、クギ等で固定されています。
本襖の感触と重さ
格子状の木枠に紙が重ね張りされているという構造から、ふすまの表面を軽く押してみると部分的に骨組みの感触を探し当てることができます。
女性でも軽々と持ち運べる重さであることも特徴の1つです。
本襖の外枠(襖縁)
一部アルミや合成樹脂製のものもありますが、多くは木製です。
木材の素材感そのままのタイプ(生地縁)や、木材に漆などを塗布したタイプ(塗り縁)があり、いずれも古いものでは黒や茶のような濃い色味の枠が多く見られます。
外枠のクギ
上下左右4本の外枠は取り外すことができ、上下(短辺)の枠は表面から確認できる位置に2~3箇所クギが打たれています。
左右(長辺)の枠もクギやネジの頭が見えることがありますが、スライドして取り外すタイプの枠もあります。
これらの特徴が当てはまらない場合は別のタイプのふすまになりますので、下記の関連記事をご参照ください。
ふすまの張り替えを始める前に
既存のふすま紙はどうするのか?
■ 基本的には上から張る
自分で本襖を張り替える場合、一般的に既存のふすま紙の上から新しいふすま紙を張ります。
■ 既存のふすま紙を剥がした方が良いケース
ふすま紙が何枚も張り重ねられ厚くなっている場合は、ふすま紙を剥がした方がいいケースもあります。
ふすまの状態によってどのように剥がせるかが異なるため「こうするのが良い」と一概に言えませんが、可能であれば最下層のふすま紙までを残し、それより上の部分を剥がしましょう。ふすま紙を残すことによって強度を保つことができます。
■ 表面と裏面のバランス
片面ばかり張り替えているふすまは反りやすくなるため、表面と裏面の紙の枚数を同じになるよう調整するというのも一つの方法です。
表・裏の本体表面にそれぞれに少し切り込みを入れて紙の層を確認する方法もありますが、おおよその感覚で問題ありません。下地として残す紙に切り込みを入れてしまった場合は、新しいふすま紙を張る前に茶チリ紙を張りましょう。
- 厚みを見極めるポイント
本来、外枠の方がふすま本体よりも少し厚みがあります。
外枠よりふすま本体部分が盛り上がっている、または、ほとんど同じ厚みになっている場合は、ふすま紙が何層にも重なり厚くなっている可能性があると言えます。
ふすまの原状回復は難しい
原則として「ふすまを原状回復できる方法は無い」と思ってください。
既存のふすま紙が塩化ビニールなど合成樹脂製のタイプ、コーティングされたようなつるつるとした表面である場合は、剥がせる両面テープでの施工や、粘着テープの下地部分をマスキングテープで覆う方法で原状回復が可能な場合もあります。
しかし一般的な紙製のふすま紙の場合、こういった方法を取り入れても表面の傷みを避けることができません。
原状回復が必要な場合は、下地の素材を慎重に見極めましょう。
引手が取り外せるか確認しておこう
多くの本襖の引手は上下2箇所が小さなクギで留められており、取り外しが可能です。
しかし木製の引手などは接着剤で留められているケースがあります。この場合、取り外しの際に引手を大きく傷つけることがあるため新しい引手の準備が必要です。
引手が取り外せるかどうかを事前に確認しておきましょう。
- 引手の取り外し方はこちら>>
- 新しい引手を探す>>(※壁紙屋本舗・楽天市場店へ移動します)
張り替えにおすすめの天候や季節
湿気があると伸びるふすま紙の性質から、湿気の多い時期が良いとされています。
「雨の日」や「梅雨の時期」、比較的湿度の高い「夏場」に行うのがおすすめです。
乾燥した時期に行う場合、霧吹きなどで湿気を補いながら行う方法もありますが梅雨の時期にシワが出てしまうことがあります。
また、ふすま紙を張った後の急速な乾燥はふすまの「反り」にも繋がります。
必要な道具
-
ふすまの施工道具7点セット
【内容(写真左より)】
・トレー
・カッター
・引手釘打ち
・ミニバール
・スポンジ
・撫でバケ
・ステンレスカッターガイド - ふすま・障子のり
- 引手バール
- のりハケ(2本あると便利)
- マスキングテープ
- はさみ
- かなづち
その他、あると便利な道具
- 重し(本や雑誌等)
- ペンチ
- のり用の適当な容器(7点セットのトレーと合わせ2つ準備)
本襖の張り方:枠を外してふすま紙を張る
それでは手順を見て行きましょう。
大まかな流れは次の通り。
引手の取り外し
クギが使われていない引手(木製タイプなど)
- バールを差し込み・・・
ふすまと引手の隙間にバールを差し込み・・・
- 枠を外す
ゆっくりと浮かせて、枠を取り外します。
全面が接着剤で留められていると、引手を壊さないと外せない場合があります。
※新しい引手を探す>>
※壁紙屋本舗・楽天市場店へ移動します。
クギで留められている引手
- バールで引手を浮かす
通常上下2箇所がクギで留められています。どちらから外しても構いません。
クギに近い位置のふすまと引手の隙間にバールを差し込み、引手が変形しない程度まで持ち上げます。
- クギの頭を出す
持ち上げた引手を元に戻し、抜きたい釘の方向に引手を押し込むとクギの頭がでてきます。
- クギを引き抜く
出てきたクギの頭をペンチ等で引き抜きましょう。
反対側のクギは引手ごと引っ張ると外れます。
※引手はずしがあると便利です。
枠の取り外し
- スライド式(上からたたいて外す)
上下の枠にはクギの頭が見えますが、左右の枠の表面には見えません。
補修時の都合で上下逆になっていたり、傷んできて横からクギが打たれていたりと様々なケースがあるので、上部からたたいても動かない場合は下部からたたいてみるなど、慎重に作業を進めましょう。
- クギ打ち式(バールでこじ開ける)
上下の枠だけでなく、左右の枠にもクギの頭(※)が見えます。
のりの準備
2種類の「のり」を作ろう
濃いのりと薄いのりを準備します。
A:濃いのり ⇒ ふすま紙裏面のフチに塗ります。
B:薄いのり ⇒ ふすま紙裏面全体に塗ります。
※施工道具7点セットに含まれるトレーは1つですので、適当な容器をもう1つご準備ください。
今回使用したふすま紙用のり
1袋(280g)でふすま紙約2~3枚の施工が目安となります。作業途中でのりが無くならないよう、少し余裕を持った量を作るようにしましょう。
※その他の製品をご使用になる場合は、各案内に沿ってご準備ください。
濃いのりの作り方
1袋の半分(140g)程度を絞り出し、約70mlの水で溶きます。(のり1:水2分の1)
のりがハケに馴染むくらいの柔らかさになればOKです。
※茶チリ紙と補修紙にも濃いのりを使います。たくさんの量を必要としないのでふすま2~3枚分であればこの分量で補えると思いますが、使用量が多い場合は分量を調整してください。
薄いのりの作り方
1袋の半分(140g)程度を絞り出し、約560mlの水で溶きます。(のり1:水4)
水は一気に入れるとダマになりやすいので、何度かに分け足していきます。ハケでのりを潰すように混ぜると馴染みやすくなります。半透明のしゃばしゃばの液ができたら完成です。
補修紙を張る
のりの準備ができたら、まずふすまの補修を行います。
★補修が不要な方は 茶チリ紙を張る へ
ふすまに穴が空いている場合
ふすまの表面に穴が空いている場合は補修紙を使って穴をふさぎます。ふすま紙のちょっとしたやぶれ程度であれば、茶チリ紙で良いでしょう。
今回使用した補修紙
補修紙の張り方
- 補修紙のカット
ふすまの破れに対し一回り大き目に補修紙をカットします。
- 補修紙を湿らせる
カットした補修紙の裏面全体を、水を含ませたスポンジや霧吹き等で湿らせます。
- 切り口をちぎる
ハサミでカットした切り口を手でちぎります。こうすることで補修紙の境界線が周囲と馴染み、目立ちにくくなります。
- 補修紙にのりを塗る
補修紙裏面の周囲1cmほどに濃いのりを塗ります。
- 破れた箇所を覆う
破れた箇所を覆い、全体的に乾いたら完成です。
茶チリ紙を張る
補修紙の後に茶チリ紙を張ります。
ふすま紙を張る前に茶チリ紙を張ることで、よりきれいに仕上げることができます。
★茶チリ紙が不要な方は ふすま紙を張るへ
茶チリ紙の3つの効果
- 下地の凹凸や骨組の跡がふすま紙の表面に現れるのを防ぎます。
- 新しいふすま紙を張り重ねる場合、下地となる古いふすま紙の絵柄が表面に透けて見えるのを防ぎます。
- 下地から汚れやアクが出るのを防ぎます。
今回使用した茶チリ紙
12枚入。全面張りでふすま2面分の量です。
※前日から広げて折り目を伸ばしておくと作業がしやすくなります。
※折り目はふすまに張った後に水を含ませるとピンと張ります。
茶チリ紙の張り方
茶チリ紙の周囲のみ糊付けをして張る「袋張り」で張っていきます。
- 茶チリ紙にのりしろを作る
ふすま1枚につき茶チリ紙6枚を重ね、角から丸めていきます。
- のりしろの幅を均一にする
巻いた時に生じる5mm~1cm程度のズレが「のりしろ」になります。のりしろを維持したまま巻いた茶チリ紙を元に戻し、間隔を均一になるように整えます。
※初心者やふすまが古い場合はのりしろを広めに取ると作業しやすくなります。
- 重しを置く
均等なのりしろができたら重しを置いて動かないよう固定します。のりを塗る周囲は養生しておくと良いでしょう。
- 濃いのりを塗る
2辺の「のりしろ」部分に濃いのりを塗っていきます。1番上の茶チリ紙ののりしろも均一の幅になるよう意識しながら塗りましょう。
- のりの乾燥を防ぐ
先にのりを塗った2辺は上からビニールテープやラップ等で覆っておくと乾燥を防いでくれます。
- 残りの2辺にのりを塗る
残りの2辺は、ふすまに張る直前に1枚ずつのりを塗っていきます。
- 茶チリ紙を張る
ふすまの角側にくるのりしろはフチの部分に巻き込みます。のりしろ以外の部分にのりがつかないように気を付けましょう。(詳しい手順:※4)
- のりを乾燥させる
全体に張れたらのりを十分に乾燥させます。
折り目でシワシワに見えますが気にしなくて大丈夫です。
- 茶チリ紙に水を打つ
のりの乾燥後、茶チリの折り目やヨレが気になる場合はハケで全体に水を含ませます。
- 茶チリ紙を乾燥させる
乾燥すると驚くほどピンと張ります。水を含ませる前と比べると歴然の差。
※多少の折りジワ程度であれば、そのままふすま紙を張って問題ありません。
- 隣り合う茶チリ紙は数cm程度重ねて張ります。
- のりしろ部分をふすまのフチに巻き込めるよう茶チリ紙の位置を決め、撫でバケまたは指で上部ののりしろを押さえます。
- 上部が留まったら、手のひらで空気を抜きながらのりしろを貼っていきます。
※のりしろの部分はシワになりやすいのでやさしくのばしながら押さえてください。 - のりしろ以外の部分にのりが付かないよう気を付けましょう。
ふすま紙を張る
今回使用したふすま紙
裏張り用のふすま紙「雲華紙(うんがし)」について
ふすま紙の張り方から乾燥まで
こちらでは、ふすま本体を寝かせて置いたまま作業する張り方をご案内します。
❶~⓭全手順ふすま本体の上で作業するので、本体はふすま紙を張る面を上にして置いておきましょう。
スペース等の問題がある場合はふすまを立て掛けて作業することもできますが、のりを塗ったふすま紙を本体に合わせる際の位置調整が難しく、初心者にとっての難易度は高めと言えます。
それでは手順を見ていきましょう。
- ふすま紙の巻きぐせを直す
巻きぐせと逆方向にふすま紙を巻き、丸まったふすま紙をのばします。
- ふすま紙の裁ち位置を決める
ふすま本体の上にふすま紙を広げて置きます。無地のふすま紙の場合はきれいな垂直の2辺を使い、ふすま本体の厚み分ずらします。(※5)
- 重しを置く
厚み分ずらしたふすま紙が動かないように重しを乗せます。
- ふすま紙を裁断する
ずらしたふすま紙の対極の2辺を、ふすまのフチに沿ってカットします。カッターは刃を折り切れ味を良くして使いましょう。
- 薄いのりを塗る
カットしたふすま紙は裏面(のりを塗る面)を上にして広げ全体に薄いのりを塗ります。(※6)
- 濃いのりを塗る
ふすま紙の裏面の周囲4辺に1~2cm程度の幅で濃いのりを塗ります。
- ふすま紙を裏返す
のりを塗ったふすま紙を裏返す際、一方を蛇腹に折ると作業がしやすくなります。(※7)
- ふすま紙の位置を調整する
裏返して広げたふすま紙は、位置を調整しながらすべてのフチにふすま紙を均等に折り込めるように置きます。
- 空気を抜く
空気を中心から外側に向かって押し出します。和紙製のふすま紙は、撫でバケを使うと表面を傷めてしまうことがあるので手のひらを使ってやさしく撫でます。
- フチの部分を押さえる
全体の空気が抜けたら、のりしろの部分を角に向かって折り込み、指全体で押さえるようにして張っていきます。
隅ジワ(四隅にできる紙ジワ)が寄らないよう、角から外に向かって押さえていくと良いでしょう。
- 四隅のヘタを切る
四隅にできたヘタの部分(ふすま紙の余り)はハサミで切り落とします。
- 引手の位置に印を付ける
ふすま紙を張り終えたら乾燥する前に引手の位置を探し、切り込み等を入れておきます。(印を付けておくだけでもOK)乾燥するとふすま紙が張り、穴の位置が探しにくくなります。
- 乾燥
ここまでの工程が終わったら乾燥させます。(※8)
- ふすま本体の厚み分大きくカットすることで、ふすま紙を張る際に本体の半分の厚みを覆えるようにします。
※厚みいっぱい覆うと裏側からふすま紙が見えてしまう懸念があること、またふすま本体の長辺(厚みの真ん中辺り)にクギが付いているケースも多いため、厚みの半分程度を覆えるサイズである方がスムーズに作業を進められます。 - クギの具合によってカッターでスムーズに切り進められない場合はハサミを使いましょう。
- 絵柄がある場合や隣合うふすま同士で柄合わせがある場合は、絵柄の位置を決めそれに合わせて周囲を1cmほど大き目にカットしましょう。
- ふすま紙がしっとりとするくらい薄いのりをたっぷりと塗りましょう。
- エアコンなどが効いていると非常に乾燥が早いため、空調や暖房器具等はOFFにして作業を行ってください。
- 張るまでに乾燥し始めた場合は、薄いのりを塗り足してください。
-
蛇腹折りにするとき
濃いのりの部分同士を重ね、薄いのりとの塗り分けが崩れないように注意しましょう。
-
ふすま紙を裏返す時
ふすま紙の端(★部分)を持って、逆サイドのふすま本体の端(☆部分)に合わせるように裏返すと1人でもスムーズに作業することができます。
- ふすまを急激に乾燥させると反りの原因となります。
- ストーブやエアコンなどの暖房器具のそばで乾かしたり、天日にあてて乾かさないでください。
- ふすまが2枚ある場合は、ふすま紙を張った面同士を重ねて置き乾燥時間を長くすることで反りの軽減が期待できます。
枠の取り付け
- 左右の枠から取り付ける
取り外しの前につけた印を元に左右の枠から取り付けます。
スライド式の枠はクギの位置と穴を合わせてはめ込みます。
- 下からたたく
取り外しの時とは逆の方向、下部から上に向かって金づち等でたたきます。枠は傷つきやすいのであて木をしましょう。
- 上下の枠を取り付ける
左右の枠が済んだら上下の枠を取り付けます。枠の位置を合わせ、戻しておいたクギを打ち込みます。以前の穴が広がってゆるむ時はクギを打つ位置をずらしましょう。
引手の取り付け
クギが使われていない引手(木製タイプなど)の取り付け
- 四角い引手の場合
印をつけておいた引手の位置に、切り込みを入れます。
四角い引手の穴は、角から角へ×印の切り込みを入れましょう。
- ふすま紙を押し込む
ふすま紙を押し込み、穴の形をしっかりと出しておきます。
- 引手をはめ込む
接着剤を塗り、引手をしっかりとはめ込みます。次回壊さずに取り外したい場合は接着剤の量を少な目にしておきましょう。
クギで留められている引手の取り付け
- 丸い引手の場合
丸い引手の穴の場合は、少し多めに切り込みを入れましょう。
- 引手クギ打ちの登場
引手を穴にはめ込んだら、クギの先をクギ穴にグッと差し込み引手釘打ちをかぶせます。
以前のクギ穴が広がってゆるい場合は位置を少しずらしましょう。
- クギを打つ
クギの長さ分飛び出している引手クギ打ちの上部のパーツを金づちで打ちます。引手を傷つけることなくクギを打つことができとても便利です。
完成
本襖の張り替えの工程は以上です!
今回は「本ふすまの枠を取り外してふすま紙を張る」という、最も伝統的な襖の張り替え方をご紹介しました。
ホンポのよみものでは、この他にも枠を取り外さずにできる「ふすまに壁紙を貼る」アイデアをたくさんご紹介しています。
実はふすま紙も、壁紙と同様に枠を外さず張り替えることができます。
仕上がりの美しさは多少劣りますが、お手軽に施工したい場合はこの後ご紹介する「番外編」をご参照ください。
番外編:本襖の枠を外さずにふすま紙を張る
- 引手を取り外します。
★引手の取り外し方はこちら
- ふすま紙を、枠がついたままのふすまの大きさ程度にカットし裏面全体に薄いのりを塗ります。
ふすま本体の枠の内側に濃いのりを1cm程度の幅で塗ります。
★のりの準備はこちら
- ふすま紙をふすま本体に張ります。
濃いのりを塗った部分は枠のラインが分かるように手でなぞり、しっかりと形を出しておきましょう。
- ガイドをあてふすま紙をカットします。
ふすま本体にカッターの刃が入ると、下張りの紙ごとはがれてくる恐れがあるります。必ずふすまの枠に刃があたるように刃を寝せてカットします。紙は乾くと縮むので少し大き目にカットしましょう。枠についたのりは水を含ませたスポンジ等でふき取ります。
※和紙製のふすま紙は濡れているとカットしにくいので半乾きになるのを待ちましょう。紙が完全に乾く前に切ることで、カット後ふすま紙を枠のラインにしっかりと押さえ込むことができます。
おわりに
難しいイメージのあるふすまの張り替えですが、1つ1つの作業を丁寧に積み重ねていけば素人でもきれいに仕上げることができます。
実際にこのページの撮影では、ふすまの張り替えを一度も経験したことがない壁紙屋本舗のスタッフが挑戦しました。
ふすまの構造や性質を理解し、コツさえつかめば「1人でもできる」ということがお分かりいただけると思います。
素人にとって何が一番大変かというと、おそらく、枠の取り外しと取り付け。
枠をちゃんと元の状態に戻せないと、建て付けが悪くなりふすまがスムーズにスライドしなくなることがあります。長年張り替えられずに放置されていたようなふすまはクギがサビついて取れにくかったり、枠の素材が弱くなり取り外しの衝撃で欠けてしまうことも。
どういったDIYが可能なのか「ふすまの状態を慎重に見極める」ことも、大きなポイントになるのではないかと思います。
皆さんのお部屋のふすまが美しく生まれ変わることを、切に願っております。
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本ふすま、本ぶすま、ほんぶすま
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