レンガ柄壁紙は木目柄に次いで人気の柄物壁紙。
素材感を愛する日本人の趣きと、海外インテリアに憧れる気持ち。両方をガッチリと掴んでいるレンガ柄は壁紙の人気定番アイテムとなるのも納得です。
ブルックリンスタイルやカフェインテリアから火がつき、NYの街角にあるカフェのようなどっしりとした重厚感のあるデザインが主流でしたが、今はモノトーン・シャビーなインテリアに合わせやすい色の抜けたホワイトレンガなどが人気。
レンガの歴史(筆者調べ)を少しお話すると、レンガが建築材料として使用されるようになったのはなんとメソポタミア文明から。始まりは現在の中東からだったんですね。
生まれてから1000年間は乾燥させただけの日干しレンガが主流でしたが、紀元前3000年頃から焼成レンガが使用されはじめ、ヨーロッパなど他国へ広がりをみせます。
長い年月の間に技法はどんどんと発達し、現在も愛されるレンガの姿があるのです。
レンガは積み方も様々。ドイツ(小口)積み、イギリス積み、オランダ積み、フランス(フランドル)積みなどが代表として挙げられ、それぞれに耐久性のよさ、見た目の美しさ、仕上がりの早さなど用途に合わせた積み方があります。奥が深いですね。
日本では近代化の流れに合わせて建築にレンガ様式が取り入れられるようになりましたが、しかし地震大国の日本。レンガ様式では地震に弱く、崩れやすい難点から規模が縮小していきました。
難しい・できないと言われるとやりたくなる・欲しくなるのが人の真理。
安心安全に、レンガ造りのインテリアを実現できるアイテムといえば!そうです。壁紙たちなのです。
メソポタミア文明から生み出されたレンガが進化してきたように、壁紙もニーズに合わせてレンガデザインが豊富に生み出されています。
また、壁紙だけでなく一見して本物のような凹凸感のある3D粘着シートも。
お部屋の印象を驚くほどガラリと変えられるのはレンガ柄だけでなく柄物壁紙の大きな特長。
柄物壁紙は広い面など2巾以上壁紙を貼る際は、柄合わせが必要になります。この「柄合わせ」というのが壁紙を初めて挑戦する人には難易度が高く思われがち。
「リピート」といわれる1柄のプリント間隔を合わせないと、柄がズレて不恰好になってしまいます。複雑なデザインの壁紙によっては、初めて壁紙を貼る方はどこが柄の合うところなのか探すのが難しい場合も。
その点ブロックが並ぶレンガ柄は、1リピートに何個レンガが入っているのか数えておけば柄も合わせやすく、初めて壁紙を張り替える方も施工がしやすいというのも人気の要因だと思われます。
最後に、輸入壁紙・国産壁紙・シール壁紙・3D粘着シート、それぞれの特徴を簡単に交えながらおすすめのレンガ柄壁紙をご紹介いたします。
輸入壁紙
基本的な輸入壁紙は10m1本巻きのロール単品、施工道具付きのセット商品、1m単位の切売りと3タイプで販売。必要な用途に合わせてお選びいただけます。
巾は約50㎝と狭く、2巾以上貼る際は突き付けで施工ができます。はがせる粉のりを使えば賃貸にも施工OK!
さらにピースタイプで水に濡らすとのりが沸く切手のような再湿壁紙もあります。もちろん貼ってはがせて賃貸OK!小さいサイズで貼りやすく、家具を動かしたりせず見えるところだけサッと貼れちゃいます。
輸入壁紙のレンガデザインはなんといっても細部までこだわったデザイン。壁紙なのにまるで本物のレンガのようにずっしりとした重厚感すら感じられます。
また、レンガひとつとっても国産壁紙には真似できないような、本場ならではのデザイン性溢れるものも。個性豊かで面白さがあります。
おすすめブランドはフランスのKOZIEL(コジエル)。
元舞台装飾のデザイナー、クリストフ・コジエルが手掛けるレンガ柄壁紙は数多くある輸入壁紙の中でも人気デザイン。
はがせるシール壁紙
シール壁紙はその名の通り裏面がすでに粘着シートになっており、剥離紙をはがしてペタリと貼り付けるだけ。もちろん微粘着でキレイにはがせます!
さらに水に強いビニール素材なので、水回りはもちろんお風呂にも貼れるという画期的な壁紙です。
シール壁紙の中でレンガデザインがあるのはアメリカからやってきたNU WALLPAPER。
フェイク・幾何学・POPなど、40柄以上の様々なデザインを取り揃えています。
巾は52cmと輸入壁紙と近しいサイズ感。長さは5.48mの1ロール単位での販売ですが、実物が見れるサンプルもご用意しているので迷っている方はまずサンプルを!
国産壁紙
日本製の国産壁紙は強力なのりが付いた届いてすぐ貼れる「生のり付きタイプ」と、賃貸の方や撮影背景におすすめ「のり無しタイプ」の2種類があります。
巾約92㎝と広く、お部屋まるごとなど広い面を張り替える場合にはつなぎ目を少なく、費用も抑えて仕上げることができます。
無地から柄物までデザインバリエーションは豊富で、レンガ柄も多く取り揃えています。
男前インテリアに合うようなダークカラーもありますが、日本の住宅に合わせたようなナチュラルで優しい雰囲気のレンガデザインが多い印象です。
巾広な特性を活かし、THE和室な襖の上に壁紙を貼り、洋風アレンジを楽しむ方も!
それでは国産壁紙のおすすめレンガ柄をPICK UPしてご紹介。
3D粘着シート
リアルな凹凸の3D粘着シートは1シート横幅99㎝×縦29.5㎝。1ブロックごとに目地が入っていて、切り離しも楽々。さらにクッション素材なので曲げたりカットしたりも特別な道具なく簡単にできます。
通常真っ白なホワイトレンガですが、ペンキでお好みのカラーに仕上げることもできます。
単色や、複数色組み合わせてリアルなレンガカラーに仕上げることも!
壁紙よりもさらにリアルさを追求する方におすすめのアイテムです♪
締めのつぶやき
壁紙屋本舗に勤めだした当初、壁紙はこんなにもリアルな表現ができるのか!と驚いた記憶があります。
さらにこのコラムを書くにあたってレンガリサーチをしたところ、様々な積み方があると知り、このデザインはイギリス積み!と積み方当てゲームを密かに楽しんでいます。
レンガ柄壁紙の貼り方ポイントもここでひとつ。
リアルなレンガを表現するのに欠かせない、「レンガの影」。レンガのひとつひとつに影があるのがわかりますでしょうか。
お店などで貼られているレンガ柄壁紙、よーくみると上下逆に貼られており、レンガの影が上にきているのをしばしば発見します。
せっかくのカッコいいレンガ柄壁紙。実は逆に貼っていた!とならないように、貼る際は上下のチェックもお忘れなくですッ!
ぜひレンガの積み方や影にも注目しながら、壁紙選びの参考にしていただけると幸いです♪