壁をアレンジしてみたいけど、賃貸でも手軽に使える壁紙ってあるの?
このような疑問をお持ちの人がアイテムをリサーチし、おそらく、まず最初にたどり着くのが「シール壁紙」ではないかと思います。
近年はデザインや価格帯も充実し、幅広い選択肢から自分に合った壁紙を選べるようになりました。
でも実は、賃貸におすすめの壁紙はシール壁紙以外にもある!のです。
こちらの記事では、賃貸住宅に壁紙を貼る際に知っておきたいポイントや、賃貸住宅で使える「貼ってはがせる壁紙」の種類を、壁紙屋本舗独自のおすすめランキングでご紹介したいと思います。
賃貸におすすめしたい壁紙ランキングは、壁を傷付けずに壁紙を貼り替えたいという持ち家住まいの人にもおすすめです!
賃貸物件でセルフリノベーションを行う際に知っておきたい3つのこと
まずは、賃貸物件でセルフリノベーションを行う際に知っておきたい3つのお話をしたいと思います。
事前に把握しておくことで、アイテム購入の失敗や退去時の後悔を減らすことができるはず。
その1|賃貸物件の原状回復について
原状回復=借りた当時の状態に戻すこと!?
このような誤解をしている方も多いのではないでしょうか。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、国土交通省ガイドライン)」によると、原状回復とは借りた当時の状態に戻すことではなく、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することと定義されています。
(引用:国土交通省ホームページ 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について)
これは簡単にいうと「通常の使用で起きるような劣化は問題ないけれど、通常の使用を超えて起きた劣化は復旧してね」ということです。
では、「通常の使用で起きるような劣化」とは具体的にどういうことなのでしょうか。
筆者が実際に体験した経験談も交えて、ご紹介していきたいと思います。
画鋲の穴に原状回復の義務はある?
「原状回復=画鋲の穴すらダメ」だと思い、退去前に開いた穴をピンの先や爪などでふさいでごまかしたり、コーキング剤で埋めたりしたことはありませんか?
国土交通省ガイドラインにおいて、ポスターやカレンダー等の掲示は「通常の生活において行われる範疇のもの」と考えられ、そのために使用した画鋲、ピン等の穴には、原状回復の義務は発生しないことが明記されています。
下地ボードの張り替えが不要な程度の穴であれば、そのままで問題ないということです。
原状回復の義務が生じなかった筆者の経験談
また、筆者が数年前まで住んでいた賃貸物件では次のようなケースがありました。
洗面所の開口部分にドアがなく、カーテンレールの設置を賃貸物件の管理会社に相談した。
自由に取り付けて構わないという回答。
建具の木枠にネジやクギで穴を開ける許可も得られた。
浴室に貼っていた海外製ステッカーの色が壁に移って落ちなくなった。
退去時の点検の際、経年劣化の一部と見なされ修繕費の請求はなかった。
筆者のケースではこのように対応されましたが、同じ事例でも穴を開ける許可が得られなかったり、退去時に問題とされたりするケースもあります。
そこで、原状回復に関するトラブルをあらかじめ防止することが重要となります。
原状回復に関するトラブルを防止するために
原状回復に関するトラブルを起こさないために、入居時にどこまでが原状回復の対象になるのか賃貸借契約書で明確にしておくことが大切です。
どの程度のリノベーションなら行っても良いのかを賃貸借契約書に明記することにより、退去時のトラブルを防ぐことができます。
「すでに賃貸借契約書を交わし、入居してしまった…」という方も、まだ諦めないでください。
筆者が経験したように、賃貸物件の管理会社に相談した結果、許可を得てリノベーションをできる場合があります。
退去時の原状回復にかかるトラブルを防止するために、許可は書面で残しておくことをおすすめします。
その2|「はがせる壁紙」の落とし穴
「賃貸におすすめ!」「はがせるタイプ」とうたわれている壁紙は数多く存在しますが、これらのアイテムを選ぶ際の注意点をお伝えしておきたいと思います。
100%原状回復が保証されるアイテムは存在しない
壁紙屋本舗が賃貸住宅におすすめしている商材は、住環境下での施工検証を行い「問題ない」という結果を得ています。しかし、住宅の環境は千差万別。
気温、湿度、日当たりや下地の強度などさまざまな要因が影響し合うため、残念ながら「絶対に不具合が生じない」という保証はできません。
シール壁紙の剥がしあとについては当店でも実験を繰り返していますが、はがす際にシール壁紙の粘着が下地となる壁紙の表面素材を若干持ってきてしまうというケースは起こり得ます。しかし、見た目を大きく損なうほど傷つけてしまう可能性は低いのでご安心ください。
他に想定できるトラブルとして「シール壁紙を長期間貼ってはがすとシールの粘着が壁側に残ってしまう」というものがあります。
市販のシール剥がしなどで対応できることもありますが、トラブルの起きた壁の面積や下地の表面の状態によっては原状回復が難しい場合もあります。
施工前にはサンプルを試し、退去が決まった際は万が一原状回復ができなかった場合に備え、早めに下地の状態を確認しておくことをおすすめします。
なお、「はがせるタイプ」のシール壁紙に関するトラブルでは、はがす際に下地を傷つけるというケースより「施工場所にうまく接着しない」というケースの方が圧倒的に多いため注意が必要です。
以上を踏まえた上で、賃貸におすすめできるアイテムの特徴や注意点をチェックしてみましょう!
「はがせる」アイテムの注意点
シールタイプの壁紙やリメイク用の粘着シートの粘着力は商品によって異なり、大きく分けて「はがせるタイプ」と「強粘着タイプ」があります。
「強粘着タイプ」は言葉の通り、強い粘着力があるため施工後にはがれてくる心配は少ないのですが、はがす際に下地の素材を傷つける可能性が高くなります。
当然ながら、賃貸住宅へのおすすめは「はがせるタイプ」。
弱粘着タイプなので施工時の貼り直しも行いやすく、はがす際にも下地素材を傷めにくいアイテムです。
ただし、近年増えている「防汚」や「撥水」など表面がコーティングされた機能性のビニール壁紙にはうまく接着しないことがあります。
壁にマスキングテープやセロハンテープを貼って抵抗なくはがれる場合、この機能性壁紙の可能性が高いといえます。
見た目では区別がつかないため、注文前にサンプルをお試しいただくことをおすすめします。
のりを使って壁紙を貼る場合の注意点
賃貸住宅でのりを使って壁紙を貼る場合は「はがせるのり」を選びましょう。
壁紙屋本舗で取り扱う「はがせるのり」は、ポテト由来の粉のりです。
粉のりを水で溶いて「のり」を作り、ハケで塗る必要があるためシール壁紙に比べて手間がかかると思われがちですが、実は施工中の微妙な位置調整が行いやすくシール壁紙より簡単と感じる人も多い施工方法です。
ただし、シール壁紙と同様、近年増えている「防汚」や「撥水」など表面がコーティングされた機能性のビニール壁紙にはうまく接着しないことがあるため、注文前にサンプルをお試しいただくことをおすすめします。
あらかじめ壁紙にのりが塗られている「生のりつき壁紙」には、通常強力なのりが使用されています。
ボンドのような接着剤が含まれるためしっかりときれいに貼れるのですが、はがす際に下地を傷めてしまうため賃貸物件には使用できません。
その3|原状回復の必要がないDIY賃貸物件
近年はインテリアへの意識の高まりから、原状回復の必要がない「DIY賃貸物件」も徐々に増えてきています。
壁紙屋本舗のモデルルームが入るUR千島団地にも導入されている仕組みです。
引っ越しと並行してセルフリノベーションを計画する場合、こういった点も踏まえて賃貸物件を探すと選択肢がより広がりそうですね。
貼ってはがせる!賃貸におすすめしたい壁紙ランキング BEST3
それでは、いよいよ「貼ってはがせる壁紙」を壁紙屋本舗独自のランキング順にご紹介!
はがせることはもちろん、貼りやすさや手軽さを重視して選んだアイテムです。
1位|水だけで貼れる壁紙「Hattan(ハッタン)」
まずご紹介したいのが、水だけで貼れる壁紙 Hattan(ハッタン)です。
ペットボトルから生み出されるリサイクルポリエステルと、植物原料のレーヨンを使用した不織布素材。
布のようなやさしい質感が特徴の壁紙です。
素材の裏に「貼ってはがせるのり」が加工されているため、全体を水に浸すことでのりの粘着力が戻り切手のように貼ることができます。
約45cm角の正方形を並べて貼るパッチワークタイプのほか、手軽なアクセントにおすすめのポスターシリーズ、自由にカットしたり組み合わせたりして壁面をアレンジできるパレットシリーズなど、アイテムの幅も拡大中。
水で濡らした布のような素材を手で伸ばして貼るので、ズレても位置調整がしやすく初心者でも驚くほどキレイに貼れます。
幅広い下地に対応していますが(検証結果はこちら!)、特にビニール壁紙の上に貼るときれいに剥がすことができるので、賃貸住宅でも安心して使えます。
さらに、はがした壁紙は何度も繰り返し使用することができるので、模様替えや引っ越しにも対応◎
貼りやすさと手軽さのいいとこどりをした、新感覚の壁紙です。
多彩なシリーズ展開の中でも、今特におすすめしたいアイテムをいくつかピックアップ!
手軽さイチオシ!Hattan Art Poster(ハッタンアートポスター)
とにかく手軽に部屋の雰囲気を変えたいという人におすすめしたいのが、Hattan Art Poster(ハッタンアートポスター)!
額縁も留め具(画鋲やネジ)も不要のポスターです。
現在リリースされているデザインで数百種類。ゴッホやフェルメールなど世界的な画家の名画から、シュールでユニークなイラスト、海外の絵本の挿絵までバラエティ豊かなラインナップとなっています。
きっとお気に入りの一枚が見つかるはず。
リビングや寝室におすすめ|Hattan Nature(ハッタンナチュール)
シンプルで落ち着いた色合いが人気のHattan Nature(ハッタンナチュール)は、寝室やリビングなどホッと落ち着きたい空間に最適。
単色6枚1セットですが、色を混ぜて貼るミックス貼りや、グラデーション貼りもおすすめです。
華やかなアクセントクロス|Hattan Vintage(ハッタンヴィンテージ)
デッドストックの輸入壁紙のデザインを復刻したHattan Vintage(ハッタンヴィンテージ)。
レトロポップでインパクトのある柄は、華やかなアクセントクロスにピッタリです。
デザインアソートの6枚1セットでA〜Jの10タイプ。単一デザインが6枚1セットになったHattan Pattern Vintageのシリーズもあります。
壁を自由に楽しみたい人へ|Hattan Palette(ハッタンパレット)
無地84色×3サイズのHattan Palette(ハッタンパレット)。
そのまま壁に貼ったり、ハサミでいろんな形に切り抜いたり、まるで壁に絵を描くようにあなただけのオリジナル空間を作ることができます。
楽しみ方は無限大!
パレットシリーズには、シールタイプのHatte me! Palette(ハッテミーパレット)もあります。
こちらでご紹介したHattanのシリーズはほんの一部!
木目やコンクリート、アニマル柄や海外デザイナーとのコラボレーションデザインなど、多彩なラインナップを展開しています。
2位|やっぱりお手軽な「はがせるシール壁紙」
賃貸住宅でのセルフリノベーションアイテムとしても、王道の地位を築いているシール壁紙。
裏紙をはがすだけでペタッと貼れる、やっぱりお手軽なアイテムです。
手が水やのりで汚れることがないので初めて壁紙を取り入れたいという人にもハードルが低く、デザインも豊富!
多くのシール壁紙は表面がビニール素材で水や汚れに強いため、キッチンの水回りや洗面所などにもおすすめです。
今回は、ただでさえお手軽なシール壁紙の中でもさらに手軽でアレンジ性の高いアイテムをご紹介!
さらに手軽に壁をアレンジできる|ステッカーシリーズ
白地に柄のある壁紙は、インテリアに取り入れやすく日本で人気の高いデザイン。
元々白い壁紙が多い日本の住宅の壁なら、柄の部分だけ貼れば白地デザインの壁紙のようになりますよね。
テラゾーやドットの形に切り抜かれたステッカーを、一枚一枚自由に壁に貼って、手軽に壁紙の雰囲気を楽しむことができるステッカータイプのアイテムは、シール壁紙を超えたお手軽さと、自分らしいアレンジができる人気アイテムです。
ちょっとした壁の汚れやキズ隠しにも最適!
TERRAZZO Sticker(テラゾーステッカー)
不揃いな形、相性のいい色のハーモニーがかわいいTERRAZZO Sticker(テラゾーステッカー)。
テラゾーとは、大理石などの石材を砕きセメントに混ぜた、色とりどりの模様が特徴的な人造大理石の一種。
床やカウンターなどにも人気の建材で、近頃はインテリア小物のなどにも取り入れられるデザインです。
小さなステッカーを自由に壁に貼るだけで、人気のテラゾー模様が完成。
お風呂にも貼れるビニールタイプと、消臭機能がついてツヤのないマットタイプがあり、豊富な色展開もうれしいシリーズです!
Dot Sticker(ドットステッカー)
シンプルで使い勝手のいいドットデザインのステッカーから今回おすすめしたいのは、Dot Sticker Water Colors(ドットステッカー ウォーターカラーズ)のシリーズ。
水彩の色ムラを再現したやさしい丸形のステッカーで、ドットの大きさは XS〜3L の6サイズから選べます。
淡いグレーやベージュから、イエローやブルーといった鮮やかなカラーまで豊富なラインナップ!
パキッとしたメタリックなドットステッカーもありますが、Water Colorsシリーズはフリーハンドで描いたような不揃いなラインのドットでナチュラルな印象。
シンプルにまとめたい空間へのアクセントとしてもおすすめです。
テラゾーステッカーと同じく、お風呂にも貼れるビニールタイプと、消臭機能がついてツヤのないマットタイプがあります。
パッチワークタイプのシール壁紙|Hatte me! Square(ハッテミースクエア)
貼りやすくてはがしやすいシール壁紙 Hatte me! (ハッテミー)。
壁紙屋本舗オリジナルの人気シリーズに、通常のロールタイプよりもさらに簡単に貼れるスクエアタイプがあります。
その名も、Hatte me! Square(ハッテミースクエア)!
シール壁紙は施工中にシワが入ってしまうと一度はがして貼り直す必要があります。施工する面積が大きくなればなるほど、当然シワが入ったり直線ラインがズレたりしやすくなるためちょっとしたコツが必要です。
ハッテミースクエアは42cm角のピース状のシール壁紙を貼り合わせるパッチワークタイプで、貼りやすさが大幅にアップしました。
ハッテミーシリーズで不動の人気を誇るシンプルなタイルデザイン、人気急上昇中のカラフルなスクエアタイルなど、ナチュラルから個性派まで網羅できる豊富なデザインも人気です。
もちろん、従来サイズのHatte me!もおすすめ!
広い面積になるべく継ぎ目を少なく貼りたい場合など、目的に応じてピッタリのアイテムを見つけてくださいね。
<ご注意>「Hatte me!」と「Hatte me! Square」には一部同じデザインがありますが、柄の大きさや色味が異なります。
お風呂にも貼れる!|NU WALLPAPER(ヌーウォールペーパー)
こちらはアメリカで人気のシール壁紙 NU WALLPAPER(ヌーウォールペーパー)。
水に強いビニール素材なので、水回りはもちろんお風呂にも貼れるシール壁紙としても大人気です。
壁はもちろん、家具や階段、ドアのリメイクにもぴったりのアイテム。
marimekko(マリメッコ)のUnikkoなど、大人気ブランドのテキスタイルをデザインに取り込んだコラボアイテムにもご注目!
こちらでご紹介したシール壁紙は全アイテム中のほんの一部。
壁紙屋本舗オリジナルデザイン、海外ブランドのアイテムなど多彩なラインナップをお楽しみください。
3位|フリース壁紙を「はがせるのり」で貼る
丈夫で破れにくいフリース素材の壁紙は「はがせるのり」との相性が良く、賃貸住宅におすすめのアイテムです。
本格的に壁一面に壁紙を貼った空間を楽しみたいという場合は、特におすすめ!
フリース素材の壁紙を貼る際は「壁側にのりを塗る」ので、壁紙を広げて塗るスペースが不要なのもうれしいポイントです。
豊富なデザインとリーズナブルな価格|はがせるフリース壁紙(のりなしタイプ)
2023年に登場した5つの新ブランドで展開するはがせるフリース壁紙(のりなしタイプ)は、豊富でおしゃれなデザインとリーズナブルな価格で人気のアイテム。
好きなインテリアのテイスト別に、壁紙のデザインがもっと選びやすくなりました。
初めて壁紙を貼る人におすすめ|破れにくい壁紙(のりなしタイプ)
幅がコンパクトで扱いやすい、破れにくい壁紙。
通常の国産壁紙のおよそ半分くらいの幅で、初めて壁紙を貼る人にも扱いやすい壁紙です。
フリース素材は丈夫で破れにくいので、安心して施工にチャレンジできます。
しっかり貼れる「のり付きタイプ」もありますが、賃貸住宅へのおすすめは「のりなしタイプ」×「はがせるのり」で貼る方法。
使いやすい無地カラーのほか、アクセントクロスにおすすめの柄デザインも多数展開。
デザインバリエーション一覧は壁紙屋本舗・公式サイトのカテゴリよりご確認いただけます。
個性的なデザインを取り入れたいあなたに|WALLTZ(ウォルツ)
WALLTZ(ウォルツ)は、日本のアーティストやデザイナーとタイアップし「新たなMADE IN JAPANの壁紙を世界へ」をコンセプトに立ち上げられた壁紙ブランド。
ブランド名の由来は、ウォール(壁)と × ワルツ(踊り)。
踊っているかのように見える壁の様子や、音楽を聞くように壁紙を楽しむ様子が表現されています。
多種多様なデザイナーの手がける個性的なデザインは、普通じゃ物足りないあなたにぴったり。
おわりに
「賃貸住宅ではインテリアを楽しめない」というイメージは払拭されたでしょうか?
たった数年前と比べても「貼ってはがせる壁紙」は、その機能面においてもデザイン面においても急速に進化しています。
シール壁紙だけではなく、原状回復のできる壁紙には色んな選択肢があるということをたくさんの人に知ってもらい、インテリアがもっと親しみやすいものになっていくことをホンポは願っています。
手軽に取り入れられる「はがせる壁紙」で、暮らしをもっと彩ってみませんか。