ペンキを使ったリメイク好きのみなさん、ペンキの正しい保存方法や捨て方をご存じですか?
一度開封したペンキはその時に使い切ってしまうのがベストですが、そんなに切り良く使い切れるものではありませんよね。使いかけのペンキは「またそのうち使うかも」「とりあえず置いておこう」などと、家の中に放置されてしまいがち。でも状態の悪くなったペンキで塗装すると、塗りムラやダマができるなど、仕上がりに悪影響を及ぼすことがあります。
保存方法や開封後の保存期間について正しく知り、不要になったペンキは潔く処分しましょう。
DIYで使用するペンキは、大きく「水性ペンキ」と「油性ペンキ」に分けられます。
壁紙屋本舗の人気アイテム「Imagine Wall Paint (イマジンウォールペイント)」は匂いが少なく家の中でも扱いやすい水性ペンキ。
今回は、余ってしまった水性ペンキの保存方法や捨て方、捨てる時に活躍するアイテムについてご紹介したいと思います。
※油性ペンキには当てはまらない内容がありますのでご注意ください。
水性ペンキの保存方法と保存期間
水性ペンキの保存方法
まずは、余った水性ペンキの保存方法をご紹介します。
STEP 1:ペンキを拭き取る
容器のふちにペンキが付いたままフタをしてしまうと、次にフタを開けるときにペンキが固まり開けづらくなくなることがあります。フタをする前に容器のふちに付いたペンキはきれいに拭き取っておきましょう。
※ペンキを使用するときは、ローラーで塗る場合もハケで塗る場合も、必要な分量を別の容器に移して使用するのがおすすめです。
ペンキ缶に直接道具をつけてペイントすると、塗装部分の汚れやゴミなどが容器内に混入し保存中に品質が落ちることがあります。
STEP 2:フタをしっかり閉める
缶の上にそっとフタを置き、体重をかけてフタを押し込みます。
その時にある程度厚みのある板をフタに乗せて押し込むと、均等に体重がかかりフタがしめやすくなります。
また、木づちでフタを叩いて密封させるのもおすすめです。ここでしっかり密閉しないと乾燥が早まりペンキが固まる原因となります。
水性ペンキの保存期間
未開封の場合
明確な使用期限はありませんが、壁紙屋本舗では3〜5年程度を目安としてご案内しています。
日光の直射や凍結の起こらない涼しい場所で保管してください。
開封時、ペンキの状態に問題がなければ経過年数に関わらずご使用いただけます。
開封済みの場合
こちらも明確な使用期限はありませんが、密閉して日光の直射や凍結の起こらない涼しいところで保管した場合、開封後1〜2年程度が目安となります。
開封時、ペンキから嫌な臭いがせず、固まっていなければご使用いただけます。
- 保存中はペンキの顔料が沈降し、塗装の際に色ムラが出やすくなったり下地にペンキが密着しずらくなるので定期的に容器を振るようにしましょう。
- 保存後に使用する際、全体的に粘度が高まっている場合は少し水で希釈して使用できます。
- 部分的に固形化している場合は水で希釈しても元通りにはなりません。固形化した部分をきれいに取り除けない場合は、塗膜にダマやムラができる原因となるため使用はおすすめできません。
水性ペンキの捨て方
ここからは水性ペンキの捨て方についてご紹介します。基本的にペンキは使い切って捨てるのが原則。余った液体を容器に入れたままゴミに出してはいけません。
この機会に水性ペンキの正しい捨て方を学びましょう。
水性ペンキはそのまま水道に流せるのか?
水性ならそのまま水道に流しても問題ないのでは?と思う人もいるかもしれません。正確な情報を得るべく、壁紙屋本舗の本拠地である大阪市環境局へ問い合わせてみました。
回答は…
とのことでした。(2021年3月)
それぞれの自治体によってルールが異なりますが、一般的に「液体」は普通ゴミでは出せません。
ここからは、水性ペンキの余った量や状態に応じた捨て方についてご紹介していきます。
状態や量別・水性ペンキの処分方法まとめ
Case 1:固まった水性ペンキを処分する場合
容器の中でペンキが完全に固形化していれば、そのままゴミとして捨てることができます。
ペンキの容器に多い「缶」は不燃ゴミ。自治体によって分別方法が異なりますので、それぞれのルールに沿って正しく処分しましょう。
Case 2:少量の水性ペンキを処分する場合
少量の水性ペンキを処分する場合は、古新聞などいらない紙にペンキを塗り広げ、しっかりと乾燥させてから可燃ゴミとして捨てましょう。
Case 3:多量の水性ペンキを処分する場合
液体のままでは一般のゴミとして処分できないので、水性ペンキ用の固化剤で固めて捨てましょう。
用意するもの
- 固化剤
- 処分するペンキ
- バケツなどの容器
- 割りばし
- ビニール袋
How to
- 容器にビニール袋をかぶせ、処分するペンキを流し入れます。
- ペンキに固化剤を入れます。50gで約500mlのペンキを固められますが厳密に計らなくても大丈夫。混ぜながら様子をみて分量を調整してください。
- おから状に固まるまで割り箸で混ぜます。
- 固まったらビニールごと封をして可燃ごみとして捨てましょう。
水性ペンキを使った後は!ハケの洗い方と洗い水の捨て方
さて、ここで水性ペンキを塗り終わったあとのハケの洗い方やその際の洗い水の処理方法についてご紹介します。
ハケの洗い方
- ペンキを塗り終わったら、缶やバケットのふちでペンキをできるだけ落とします。
- 新聞紙などでよくふき取り、できるだけハケの中にペンキが残っていない状態にします。
- 水性ペンキはバケツなどに水をためてしっかり洗います。濃い洗い水は固化剤で固めて処分します。
- しっかり水で洗った後、台所用洗剤で洗うとより綺麗に落とせます。
- ハケの先を上にして乾かします。空ビンなどをハケ立てに利用しましょう。
洗い水の捨て方
塗料が濃く混ざった水も排水管詰まりの原因となることがあるので固化剤で固めて処分しましょう。
ペンキと同様の手順で固めることができました。
※固めたのは黄色いペンキの洗い水です。
洗い水に関するQ&A
Q1.水性ペンキを家の洗面台やお風呂場で洗って色が付いたりしない?
ホンポのスタッフAは、お風呂場で洗っています。塗料が濃く混ざった水は固化剤で固めて捨て、すすぎの際の水を流しますが、最後によーく洗い流せば大丈夫。これまでのところ、色がついてしまったことはありません。
Q1.なぜハケの毛先を上にして乾かすの?
ハケが固まるのを防ぐためです。
どうしても見えない洗い残りがあるため、下向きに干すと残った塗料が下りてきてハケが固まったり、ごわつきの原因になることがあります。上向きに干すことでそれを防ぐことができます。
実験!固化剤で他のモノを固めてみた
今回使用した水性ペンキ用の固化剤は、壁紙用ののり、漆喰にも使用することができます。
のりや漆喰などの固形物のように思える素材も「液体」の扱いになりますので、捨てる際は固めて処分しましょう。少量の場合はペンキと同様、新聞紙などに塗り広げて乾燥させてもいいですね。
でもほんとに同じ固化剤で固められるの?と疑問に思ったので、実験してみました!
壁紙用のり 強力タイプ
自分で塗って使うタイプの壁紙用ののりです。壁紙を使った家具のリメイクなどにもおすすめのアイテム。しっかりと固まりました。輸入壁紙専用粉のり スーパーフレスコイージー
こちらは、輸入壁紙を貼って剥がせる人気のアイテム「スーパーフレスコイージー」。水で溶かして使うタイプののりです。こちらもしっかりと固まります。漆喰
さすがに漆喰を下水道に流そうという人はいないと思いますが、固化剤で固めるともろもろの土のようになりました。※今回固めたのはベジタウォールという色のついた漆喰です。
ご覧の通り、ペンキ以外にも様々な液体を固めることができました!
固化剤、頼りになりますね。
まとめ
簡単にまとめると、水性ペンキなど液体の処分は「少量なら新聞紙などに塗って乾燥させて捨てる」「多量なら固めて捨てる」ということ、また固める際は「固化剤」という強い味方があることがわかりました。
ゴミの処分や環境への配慮は、何を行うにも欠かせないポイントとなっています。
DIYをする人が増えてゴミ出しのマナーが悪くなった、排水管のトラブルが増えた、なんて言われないように後始末まできっちりとこなせるようにしたいですね。
壁紙屋本舗は、みなさんの楽しい☆ペンキライフ☆を応援しております。