ホンポのひとこま|vol.05 未来はバウハウス壁紙のもの

bauhaus_eyecatch ホンポのひとこま

2019/11/29/Friday

こんにちわ。
壁紙屋本舗・スタッフのウエマツです。

 

本日は個人的な週末のひとこまについて。

先週末は気持ちのよいお天気で、紅葉をたのしみに行かれた方も多かったのではないかと思います。
私は兵庫県の西宮市大谷記念美術館「きたれ、バウハウス」展(2019.10/12~12/1)を見に行ってきました。

館内入口付近のフォトブース

館内入口付近のフォトブース

バウハウスとは

知らない方にとっては「きたれ、バウハウス」と言われても何の催しなのか1ミクロンもぴんとこないと思います。
私自身も壁紙屋本舗に入るまではその一人でしたし、言葉として知った後もぼんやりとしかシルエットをつかめていない、そういう距離感のものでした。

今回得た知識を元に、できる限りそぎ落としてご説明してみます。
バウハウスとは「第二次大戦前のドイツでたった14年しか活動していないのに、その後のデザインや建築に大きな影響を与えた造形教育の学校」です。

1926年に完成したバウハウス・デッサウ校舎 (現存/ 1996年 世界文化遺産登録)

1926年に完成したバウハウス・デッサウ校舎
(現存/ 1996年 世界文化遺産登録)

バウは「建築」、ハウスは「家」の意。
その教育理念は「すべての造形活動の最終目標は建築である」というものでした。

諸芸術が建築より下の位置づけというよりは、どんな芸術作品も、どんな工芸品も、どんな製品も、最終的に建築の一部を成すもの、ということなのかなと個人的には感じました。
よく分からないなりに迫力を感じる言葉です。

バウハウスを知らない人も、普段の生活のなかでその影響を受けた製品を少なからず使用しています。
モダンデザインの源流と言われるほどの大きな影響を後世に残した、「とにかくすごいデザイン学校」だったということがお分かりいただけたらひとまず良いかと思います。

バウハウス・デッサウ校舎の階段

バウハウス・デッサウ校舎の階段

1919年の開校からわずか14年でナチスの弾圧により閉鎖に追い込まれたバウハウス。
色んなことを自由に発想されたら困る情勢下において、その存在が脅威として映ったのは想像に難くありません。

しかしその強い信念と思想は広く受け継がれ、現在でも色褪せることなく影響を与え続けているのです。
 

バウハウスと壁紙屋本舗のつながり

今年はバウハウス開校100周年。その節目を記念するイベントが日本各地で開催されています。
こちらの展覧会もそのひとつ。

いかにも建築やアート関係のお仕事をしていそうな人、デザイン学校の学生さんといった風貌の来場者を多く見かけました。

さて、このバウハウスと壁紙屋本舗に一体どういったつながりがあるかと言う点についても少し。

壁紙屋本舗で扱う輸入壁紙のなかに、ドイツのrasch(ラッシュ)というメーカーのものがあります。

幅広いデザインとリーズナブルな価格で輸入壁紙のなかでも人気の高いアイテム。
このrasch社が1929年にデザイン契約を結んだのがバウハウスです。

この契約を機にraschの壁紙は装飾的なデザインへと特化し、今日まで世界の壁紙業界をリードしてきました。
つまりバウハウスは壁紙の発展にも大きな影響を与えてきたのです。

raschの壁紙については以下の記事でご紹介しているので、よければ合わせてご覧ください。

最新‼rasch2020コレクション

2019.06.14

 

未来はバウハウス壁紙のもの

タイトルにも使った「未来はバウハウス壁紙のもの」というのは、当時rasch社の広告のキャッチコピーに使われた言葉。このポスターの展示もありました。
こんな表現でたとえられるほど、そのデザイン性の高い壁紙は時代に新しい風を吹き込んだのでしょう。
 
実はこの春、rasch本社から輸出担当の方が来日しオフィスを訪ねてくださいました。
その方の話を録音した音源の意訳に関わったのですが、会話のなかに出てきた「Future belongs to the Bauhaus wallpaper(未来はバウハウス壁紙のものである)」という文意が読み解けず心に「?」を持っていました。

今回半年以上の時間を経てその脈絡を知ると突然、あの時の話がすばらしいキャッチコピーのことだったのだとわかりました。
新たに得たものが点と点を結びつけたりするんですね。

 

「きたれ、バウハウス」はこんな展覧会

全体的に「読む」展覧会というイメージでした。
真剣に読み入っている風に振る舞いつつ一向に頭に入ってこない小難しい話もたくさんありましたが、卒業生がデザインした有名な椅子の数々、制作物やポスターなど、よく分かっていない私のような人間が見てもたのしめるような展示物も多かったです。

何て言うんでしょうか、ポスターひとつ見てもほんとうに洒脱なのです。
100年も前のものなのにまったく古さを感じない、新鮮さすらありました。

バウハウスのカリキュラムを模した体験ブースも。(こちらは撮影OK)

素材ごとに感触を想像して実際に触れてみよう

素材ごとに感触を想像して実際に触れてみよう

6色混ざると何色に見えるでしょう

6色混ざると何色に見えるでしょう

影に色はあると思いますか

影に色はあると思いますか

 

 
最後はお決まりのミュージアムショップへ。
これがあるから行っちゃうといっても過言ではない必須ルートです。ポストカード収集家(自称)として、取り憑かれたように買いあさることもあります。

今回はポストカード2枚と、こちらの美術館限定販売だというバウハウスのフォト冊子を購入。

bauhaus_07

 
前世は額縁だったんじゃないかと思うほど紙素材のアイテムに惹かれてしょうがない私。
そんなに買って何に使うの?とよく聞かれますが、使うとか使わないとかそういう話ではないんです。その蓄積の姿だけに満たされる、収集ってそういうものだと思っています。

大谷記念美術館での「きたれ、バウハウス展」は12/1(日)までとなっていますが、その後、高松、静岡、東京の各会場を巡るそうです。

 

おまけの秋

今回訪れた、西宮市大谷記念美術館には年に1、2度足を運ぶ機会があります。
立地もさほど良くなくこじんまりとしているのですが、そのコンパクトさがちょうどよく、駅から美術館までの夙川(しゅくがわ)沿いの歩道もなかなか感じよく、つい訪れてしまう美術館です。

夙川はお花見の名所で、この時期は桜の木が色づいています。

leaves_01

 
西宮出身の私にとっては馴染みある川沿いの景色。
leaves_02

西宮市は近年大きな変貌を遂げていますが、ここの風景は昔からほとんど変わっていなくてほっとします。

 
私にとって美術館とは、お相撲さんが土俵入りする時に両手で顔を打つくらいの気合を持って臨む場所。
行くからには何かを得なければとつい意気込んでしまいますが、もっと肩のチカラを抜き「わくわくするものひとつ見つけたら儲けもん」、そんな気軽な気持ちで訪れていい場所なのかもしれません。
 
天気のいい土曜の午後。美術館。紅葉した歩道。
これだけで秋を一気に満喫できたような気分にさせてくれる週末でした。

皆さんは秋、満喫されましたか?

 
 
 

最後に朗報!

「バウハウス」と繋がりのあるrasch社の最新コレクション、COMING SOON!!(おそらく年内には・・・!)
ぜひぜひご期待ください。

 
 

ウエマツ
profile
人生は髪の毛とホコリとの闘いだと思う。掃除の話です。入社2年目、西宮市出身、集めたポストカードは一部ファイリング、あとは箱にわさっと保管。わさっと感もまたいいんです。